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社会が求める価値の実現を目指します。

太平洋セメント株式会社 代表取締役社長 徳植 桂治

このたびの東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに被災地の一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
当社も、岩手県大船渡市の工場をはじめ多数の設備が大きな被害を受けました。当社の被災に対し心温まる御見舞いと御支援を賜りまして、誠にありがたく厚く御礼申し上げます。
また当社は、地域社会の一員として災害発生時から、支援物資の提供をはじめ地域社会の復旧のための支援に取り組んでまいりました。今後も地域社会の方々とともに、がれき処理など復興への支援に努めていきます。

2010年の状況を振り返って

21世紀に入り、セメント業界はかつて経験したことのない需要減少を目の当たりにしてきました。こうした傾向は、景気の周期的変動によるものではなく社会構造の変化の結果であり、後戻りのないものと捉え、例外なき構造改革に2009年から取り組んできました。一連の改革施策は、当社グループ会社を含む3工場でのセメント生産の中止、約900人の人員削減という苦難を経て2010年度で完了いたしました。関係各位の御協力に厚く感謝申し上げます。
国内需要が想定の範囲内であったこともあり、構造改革は一定の成果をあげることができ、未来の目標を設定していく条件を整えることができました。本来3月末には次期中期経営計画を明示しステークホルダーの皆様と対話すべきタイミングではありましたが、この震災を踏まえ社会的・経済的な変化を見据えた新たな計画の策定に現在取り組んでいます。 また、当初計画していましたCSRに関する社会面・環境面の目標は、社内的にも、社会的にも大きな変動があったにもかかわらず、概ね達成することができました。

CSR経営の推進に向けて

近年、日本と世界を含めグローバルな規模で、様々な変化が起こっています。これまでの価値基準だけでは、判断を誤る可能性も高くなっていると感じています。そういった背景を踏まえ、CSR経営でまず大事なのは世の中の多様な変化を見据え、ステークホルダーにとって望ましい価値を企業が付加価値として実現し、社会に必要とされる企業となることです。そのためには経営の責任を担うものが会社の方向性を的確に示し、企業と社会が相乗効果を保ちつつ、持続可能な社会を形成することが重要です。したがって今後のCSR経営において以下の3つの観点が必要であると考えています。

第一は、セメント需要の高いマーケットに対し、適時・的確に対応すること。国内需要は成長期から安定期に入り、量的な飽和状態にありますが、20年前からはじめている海外展開では、成長期を迎え社会的要請が高まっている海外マーケットにさらに積極的にはばたいていくことです。
昨年は、ベトナムのギソン工場の第2ラインを稼動させ生産能力が435万トン/年となりました。ベトナムの2010年度のセメント需要は約5,000万トンと日本の約4,200万トンを上回っています。また、1工場の生産量としても当社の国内最大の工場と肩を並べます。新興国では、社会資本への投資ニーズが高く、これらの地域への高品質なセメントの供給に貢献していきます。また、国内で培った廃棄物・副産物をセメントの原燃料化する技術に対するニーズに応えていくことも今後必要となるでしょう。

第二は、セメントというプロダクツからプロセスを活かした環境事業へ衣替えして、社会がどんなに変化しようとも、それに追いつき、社会に適合する持続性のあるビジネスとして継続していくことです。 技術の進歩、経済発展、環境の変化などに伴い、人々の生活様式は変化していきます。そして、それに伴って社会資本は常につくり変えていかなければなりません。
例えば、自動車が化石燃料を使用する内燃機関から電力によるモーターに変化すれば、供給システムも製油所・ガソリンスタンドから発電所・電気スタンドに変化せざるを得ないといったことが想定されます。一方で、社会資本の構築材としてのセメントの価値は、取ってかわるものがないものと考えています。社会資本に更新が必要なことは普遍的なことなので、セメントの需要も一定の水準を維持しなくてはならないと考えています。しかし、だからセメントは変わらなくて良いというのではありません。低炭素社会や循環型社会の実現が社会のニーズであるならば、セメントをできるだけ少ないエネルギーで、そして廃棄物や副産物をより多く吸収し、かつ、社会が必要とする量を信頼される品質で製造する技術を開発する必要があります。20 年先、30 年先を考えて、セメントという商品の製造・販売を主とする枠組みから、廃棄物をセメントへと再循環・再資源化する環境産業に変わっていくことに、我々の価値を見出していきます。

第三は、資源ケミカルの分野です。
当社は高純度の石灰石(カルシウム)やシリカといった豊富な資源を有しています。これらを各種産業へ原料として多量に供給してきましたが、今後は変化する社会ニーズを捉え、加工し付加価値を付けた商品・サービスの提供を目指していきます。販売を開始した蛍光体原料の「チッカライト ®」は、LEDの高輝度化や太陽電池の高機能化のための材料として、低炭素社会に貢献できるものです。また、当社の資源の供給先は第二次産業にとどまらず、農業など第一次産業にも展開可能なものです。

私たちは、ステークホルダーとのコミュニケーションに努め、自由闊達なコミュニケーションを通して一人ひとりが挑戦することが、CSR経営の推進に必要なことと考えています。今後も、多様化する社会の未来を見据え、掲げた目標の達成に努めてまいります。

CSRレポート アーカイブライブラリー

各レポートの関連トピックはこちら

【CSRレポート2011】
CSRレポート2011
P.2~3
PDF (599KB)
【CSRレポート2010】
CSRレポート2010
P.6~7
PDF (592KB)
【CSRレポート2009】
CSRレポート2009
P.4~5
PDF (849KB)
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