ホームニュースリリース2004年衝撃弾性波を利用したコンクリート版厚測定システムを開発

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平成16年1月14日

太平洋セメント株式会社

衝撃弾性波を利用したコンクリート版厚測定システムを開発


 このたび、太平洋セメント株式会社は、衝撃弾性波法を利用したコンクリート版厚測定システムを開発、実用化しました。太平洋セメントグループでは、コンクリートソリューション®の一つとして本システムを活用し、コンクリート構造物の調査・診断事業の拡大を図ります。

1.本システムの特長
 従来、コンクリート版厚を非破壊で推定する方法として超音波や電磁波レーダが使用されていましたが、コンクリート中の骨材や鉄筋からの反射の影響が強く、また計測に時間を要するといった欠点がありました。
 本システムでは、こうした欠点を改良し、衝撃弾性波を用いることでコンクリート版への入力エネルギーを高め、計測値を安定させました。また、独自の解析プログラムを開発してコンクリート中を伝播する音速を自動的に判断・推定することで計測効率と精度を向上させています。
 さらに、本システムは
 1.一人で持ち運び・計測できる
 2.スラブ下面からの計測にも適応できるよう外部電源を用いない
 3.煩雑な設定を要しない
など、操作性にも優れています。

2.開発の経緯
 コンクリートの遮音性能は主にコンクリート厚によって決まるため、近年ではマンション販売等でコンクリートスラブ厚さや壁厚さを特長として販売している物件が増えています。また、平成12年4月から施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって瑕疵担保責任が強化されたこともあり、マンションの調査・診断依頼が増加する傾向にあります。特に隣室や上下階との遮音に関するクレームに対して設計値との照合を目的に、コンクリートスラブ厚や壁厚を非破壊で効果的に測定が可能となる技術が望まれていました。
 そこで、弊社が保有する衝撃弾性波やアコースティックエミッション(注1)を用いた非破壊検査技術と、太平洋セメントグループでコンクリート構造物の調査診断を手がける株式会社クレオ(社長:亀井忠晴、住所:東京都文京区本郷一丁目28番23号)の耐震診断を含めた数多くの調査・診断経験を融合し、本システムを開発しました。

3.今後について
 株式会社クレオが、従来から手がける各種の調査メニューの一つとして、本システムを活用し、コンクリート構造物の調査・診断事業の拡大を図ります。

注1)アコースティックエミッション=材料の破壊や損傷によって放出される弾性波


計測システム

センサおよび弾性波入力用鋼球


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