ニュースリリース
平成11年7月1日 高性能軽量骨材「アサノスーパーライト」販売開始 太平洋セメント株式会社は、超軽量高強度コンクリートの製造を実現する軽量骨材「アサノスーパーライト」を開発、このたび本格的に販売を開始しました。 「アサノスーパーライト」は比重0.85、24時間吸水率5%以下を実現。 これにより、単位容積質量1.2t/m3、強度35N/㎜2の超軽量高強度コンクリートの製造を可能としました。 近年、構造上あるいは施工の合理化のため、コンクリートの高強度化及び軽量化への要求はますます高まっております。一般にコンクリートの軽量化は「気泡の導入」または「骨材の軽量化」により達成されますが、高強度を要求される部材の適用に対しては後者が効果的とされています。 ところが従来の人工軽量骨材は非造粒型がほとんどで、その特性として多孔質であることから水に接すると表面の毛細管を通じて内部に水が浸透し、さらに連結気泡となっているので吸水率が非常に高く、このため、プレウエッティングなどの作業を必要としていました。 これに対し「アサノスーパーライト」は真珠岩系微粉末を主原料とした造粒型構造用人工軽量骨材で、内部組織には微細で独立した気孔が形成されているため吸水率が極めて低く、このためにプレウエッティングを必要とせずに、高強度かつ高耐久性の軽量コンクリートの製造を可能としました。さらに低吸水性のため従来の軽量コンクリートと比べ格段に優れた凍結融解抵抗性を示します。 普通コンクリートと比較しても遜色ない強度・耐久性の軽量コンクリートの実現により、従来は踏み込めなかった土木分野や建築構造部材への大幅な適用が見込める他、次のような軽量化によるメリットが考えられます。
<JR東日本山形新幹線延伸工事に採用> この高性能軽量骨材「アサノスーパーライト」を用いたコンクリート単位容積質量1.2t/m3の軽量コンクリートが、今年末に開通予定の山形新幹線の延伸工事(山形—新庄間・稲舟川橋梁桁)に採用され、今年1月打設終了、5月下旬に架設を完了しました。 アサノスーパーライトが採用された理由として、工程上サイトプレキャスト形式とする必要があり、架設重機等の制限により、製品自体の重量を軽減する必要があったこと、また寒冷地のため耐凍結融解抵抗性を求められたことが挙げられます。 今回採用されたコンクリートは、単位容積質量1.25±0.05t/m3、 設計基準強度30N/㎜2(標準養生材齢28日)、スランプ18±2.5㎝(荷下ろし時)、空気量5.0±1.5%(荷下ろし時)。JR東日本では、今後の大型物件への超軽量高強度コンクリートの採用を検討中です。 弊社としてはこの他、橋梁上部工、浮体構造物、建築用CW及びスラブ、建材・エクステリア製品向け等、幅広い分野への納入を既に予定しており、「軽い・強い・高耐久」をキーワードとした建材営業部門の最注力製品の一つとして、今後、さらに大型物件への採用により3年後には約20億円の売り上げを目指しています。 なお、「アサノスーパーライト」は来る7月7日〜9日、仙台市で開催される「コンクリートフェア・JCI仙台大会」【(社)日本コンクリート工学協会主催】への出品・展示を予定しています。 <アサノスーパーライトの物性>
<骨材の標準価格(除運賃)> 20,000円/m3 |