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世界最高強度を達成するPFC(無孔性コンクリート)の開発


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開発のコンセプト

コンクリートは組織中に空隙を有する多孔質材料ですが、この空隙径を小さくすることによって強度は向上し、また、空隙量を減らすと強度は指数関数的に増加することが知られています。(例えば、Powers(1948))
練混ぜ直後のコンクリートは流動性を有しているため、型枠に流し込むことによって設計者が求める任意の形状を作製することができます。このコンクリート本来の長所を失わずに、世界最高強度の実現に挑戦しました。

材料設計…最密充填配合の実現

一般的に高強度コンクリートは、セメントに超微粉材料であるシリカフュームを加えて、結合材の充填性を高めています。しかしながら、セメントとシリカフュームは粒子径に100倍程度の差があるため、粉体粒子の間にはまだまだ空隙が存在していることを見出しました。そこで、セメントとシリカフュームの中間の大きさの粒子を加えることによって、きわめて緻密な粉体を目指しました。この第3の材料である中間粒子を採用することによって、粉体粒子の隙間が最小となる最密充填の状態を数値シミュレーションにて算出し、最適な結合材の処方を見出しました。

これまでコンクリート分野では未使用であった
新規材料の採用により、最密充填(粉体混合物の隙間が最小になる状態)
の配合を実現。

製造方法…吸水処理による反応水の供給

PFC材料の練混ぜは、従来と同じミキサで行うことができます。

練上がりのPFCは十分な流動性があり、型枠に流し込んで成型することが可能です。

PFCの硬化後、型枠を取り外します。

吸水処理により、PFC内部へ反応水を供給します。

高温の蒸気養生を行い、水和反応を促進します。

さらに乾燥状態で加熱養生を行い、余剰の水分を外に飛ばします。


超高強度コンクリートでは、きわめて少ない水量で結合材を練混ぜるためセメントの水和反応に必要な水分が不足してしまいます。そこで、材齢1~2日後のコンクリートに数十分間の吸水処理を行うことで、不足する反応水を外部から強制的に補給します。吸水の方法は脱気吸水処理、煮沸吸水処理の2種類の方法があります。この吸水処理の後に2段階の熱養生(蒸気養生、加熱養生)を実施することにより、供給水との水和が促進され、きわめて緻密な硬化組織が形成されます。


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