当中間期及び通期の業績の概況


 当上半期のわが国経済は、政府により総合経済対策が打ち出されたものの、金融システム不安や企業業績の悪化等により、景況感が一段と後退しました。また、海外では米国経済が堅調に推移する一方、アジア経済の混乱が続きました。
 このようななか、セメント及び関連建設資材事業につきましては、国内では公共投資の減少に加え、民間設備投資、住宅投資が大幅に落ち込み、海外ではアジアにおいてセメント需要が減退したため、極めて厳しい事業環境となりました。
 一方、東南アジアでは、欧州系セメント資本による企業買収や資本参入が相次ぎました。
 環境・リサイクル資源事業につきましては、地球環境に対する意識が高まり、国や地方自治体が循環型社会への転換を必要施策とするなど事業環境が整いつつあります。
 当社の当上半期の総売上高は1,103億1千4百万円と前年同期に比べ180億7千2百万円の減収となりました。 当上半期の経常利益は34億7千2百万円と前年同期に比べ 4億8千万円の減益となりました。また、当上半期純利益は15億1千7百万円と前年同期に比べ34億9百万円の減益となりました。
 各部門別の営業の概況は次のとおりであります。
 当上半期におけるセメントの国内総需要は、3,422万屯と前年同期を約9%下回りました。このうち輸入品は、29万屯となりました。また、総輸出数量は、386万屯と前年同期を約43%下回りました。一方、国内市況も需要の不振により低い水準で推移しました。
 このような情勢の下、当社の当上半期におけるセメント事業部門の販売数量は、952万屯と前年同期に比べ127万屯の減少となりました。このうち国内は829万屯と前年同期に比べ68万屯減少し、輸出数量も122万屯と前年同期に比べ59万屯の減少となりました。
 また、国内においてセメント価格の適正化に取り組んでおりますが、期待した効果を上げるにはいたりませんでした。一方、セメントの輸出手取りは、輸出市況の大幅な落ち込みにより減少しました。
 以上の結果、売上高は764億7千2百万円と前年同期に比べ142億8千3百万円の減収となりました。
 資源事業部門につきましては、骨材事業は前年同期の水準を確保したものの、鉱産品や無機材料が低迷したことなどから売上高は 228億4千4百万円と前年同期に比べ 20億2百万円の減収となりました。
 多角化事業部門につきましては、売上高は109億9千8百万円と前年同期と比べ 17億8千6百万円の減収となりました。
 海外事業につきましては、米国西海岸のセメント、骨材、生コンクリート事業が引き続き好調を維持しており、中国大連市及び南京市における両合弁工場も順調に稼動しております。
 なお、中間配当につきましては、当上半期も前年同期と同様1株当たり2円50銭にすることといたしました。
 当社は平成10年10月1日をもって日本セメント株式会社と合併し、「太平洋セメント株式会社」として新たなる第一歩を踏み出しました。今後は、両社がこれまで培ってまいりました技術力、営業力等を結集し、総合的な競争力強化を図り、真の実力を備えた業界のリーディングカンパニーとして、また、国際的な企業としてさらなる発展を期すべく専心努力してまいる所存であります。
 当下半期のわが国経済は、政府の総合経済対策や金融システム安定化策の効果が期待されるものの、先行きに対する不安感から景気低迷が続くものと予想されます。
 当社といたしましては、経済情勢の深刻化や内外セメント需要の減少等ますます厳しさを増す経営環境のなか、合併効果を迅速且つ最大限に実現すべく全力で取り組み、総合的な競争力の強化を図ってまいる所存であります。
 セメント事業につきましては、生産、物流、販売等あらゆる面で徹底的な効率化を進め、技術開発やリサイクル資源の活用を通じてコスト削減に努めてまいります。また、セメント価格につきましても当社の経営にとって大変厳しい水準であることから、ユーザーの皆様のご理解を得ながら適正価格の実現を目指して努力してまいります。一方、セメント輸出につきましても、アジア地域にとらわれず、アフリカ、中東、南米地域への展開を図ってまいります。
 マテリアル事業につきましては、当社の保有する豊富な鉱山資源の有効活用をはじめとし、新商品の開発、海外への事業展開等を図り、骨材、鉱産品等の資源品や建設資材・建設関連工事等の事業をより一層拡充し、セメント関連建設資材の総合サプライヤーを目指してまいります。
 環境・リサイクル資源事業につきましては、廃棄物の適正処理、再資源化等に対する取組みを従来以上に強化し、事業の拡大を図るとともに、資源循環型社会の構築に貢献できるよう鋭意努力してまいります。
 不動産事業につきましては、多角的な視点から社有地の効率的活用を進めることにより、安定収益の確保に努めてまいります。
 海外事業につきましては、米国西海岸における好調な業績を維持し、中国大連市、南京市、秦皇島市3工場の順調な操業を持続するとともに、ベトナムにおける合弁セメント工場の建設を予定どおり推進いたします。さらに、流通・販売拠点の整備を含め長期的視野に立った事業展開を進めてまいります。

 


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