U.経 営 成 績


1.当中間期の概況
 当上半期のわが国経済は、政府による経済対策の下支え効果もあり、一時個人消費等に持ち直しの兆しが見られたものの、民間設備投資が減少基調にあるなど依然厳しい状況が続きました。
 一方、海外では、米国経済が引き続き堅調であり、アジア経済は全体的に通貨危機による最悪の状況からは回復しつつあります。
 このような中、セメント及びマテリアル事業につきましては、国内外ともに非常に厳しい事業環境となりました。国内では、官公需が前年同期に比べやや増加したものの民需の落ち込みを補い切れませんでした。一方、海外でも、アジア諸国のセメント需要が依然低調であり、また、欧米系セメント資本による企業買収や資本参入が続きました。
 環境・リサイクル資源事業につきましては、資源循環型社会の構築に向け廃棄物の再資源化に対する官、民の取組が積極さを増し、事業環境が整ってまいりました。
 このような状況の下、当社の当上半期における売上高は1,800億5千9百万円となり、経常損失は11億4千7百万円、当上半期純損失は73億5千5百万円となりました。
 部門別の概況は次のとおりであります。
 当上半期におけるセメントの国内総需要は3,393万屯と前年同期を下回りました。このうち、輸入品は45万屯と前年同期に比べ増加しました。また、総輸出数量は385万屯と前年同期並みでした。一方、国内のセメント市況は、需要低迷を背景に引き続き弱含みに推移しました。
 このような厳しい情勢の下、当社の当上半期におけるセメント販売数量は、受託販売分を含め1,451万屯にとどまりました。このうち、国内は1,273万屯、輸出は177万屯でした。また、国内のセメント価格につきましては、7月よりその適正化に取り組み、ある程度の成果を得ることができましたが、なお厳しい水準にあります。一方、輸出価格につきましてもアジア地域を中心に弱含みに推移しました。
 以上の結果、セメント事業部門の売上高は1,218億5千8百万円となりました。
 マテリアル事業部門につきましては、骨材販売が不振だったほか、人工軽量骨材や耐火被覆材料等の販売も低調だったため、売上高は354億2千万円となりました。
 環境・リサイクル資源部門につきましては、石膏販売が低調だったものの、排煙脱硫材販売が好調であり、また、石炭灰や汚泥等の各種産業廃棄物の処理事業が順調に拡大した結果、売上高は111億5千2百万円となりました。
 不動産事業部門につきましては、オフィスビル事業環境が依然として厳しい中、売上高は
78億5千4百万円となりました。
 海外事業につきましては、米国西海岸のセメント、骨材、生コンクリート事業が好調を維持し、中国大連市、南京市、秦皇島市の各合弁セメント工場も順調に稼動しております。
 なお、中間配当につきましては、当上半期も前年同期と同様1株当たり2円50銭とすることといたしました。

2.通期の見通し
 当下半期のわが国経済は、政府による経済対策が継続されるものの、雇用の調整や円高の進行等不安要因もあり、景気の先行きに対する不透明感を払拭できない状況にあります。
 当社を取り巻く事業環境につきましても、民間設備投資の低迷と公共投資の息切れが懸念され、予断を許さない局面が続くものと予想されます。
 このような状況の下、当社といたしましては、人員の効率化や組織のスリム化をはじめ、先に策定いたしました「太平洋01中期経営計画」を着実に実行し、収益力の強化を図り、財務構造の改善を進めてまいる所存であります。また、関係会社の再編成を含めグループ経営を強化してまいります。
 部門別の課題は次のとおりであります。
 セメント事業部門につきましては、生産、物流の最適化とともに販売体制の見直しを進め、コスト削減に努力してまいります。また、引き続きユーザーの皆様のご理解を得ながら、セメント価格の適正化に取り組んでまいります。
 一方、セメント輸出につきましては、アジア地域のみならず、アフリカ、中東、中南米地域等へのなお一層の輸出展開を図ってまいります。
 マテリアル事業部門につきましては、資源事業を豊富な鉱山資源の有効活用により拡大させ、関西国際空港第2期事業向け埋立用土砂供給プロジェクト等の大型案件も推進に努めてまいります。また、建設資材事業は事業体制の見直しを図り、グループ全体として事業の拡大と収益の向上を目指してまいります。
環境・リサイクル資源事業部門につきましては、引き続き廃棄物の再資源化事業に対する取り組みを強化し、資源循環型社会の構築に貢献できるよう努めてまいります。特に、現在、市原市において計画中のエコセメント事業は、合弁エコセメント工場の建設を予定どおり進め、事業開始に向け全力で取り組んでまいります。
不動産事業部門につきましては、社有地の効率的な活用を更に推進し、安定収益の確保に努めてまいります。
 海外事業につきましては、米国及び中国の事業を発展させるとともにベトナムの合弁セメント工場建設を来年度に竣工すべく取り進めてまいります。また、アジアを中心に流通、販売体制の強化を図り、長期的視野の下にグローバルネットワークの拡大、拡充に努めてまいります。
 以上により、通期の業績は売上高3,700億円、経常利益60億円、当期純損失210億円を見込んでおります。

(参考)13年3月期の業績予想(平成12年4月1日〜平成13年3月31日)
 「太平洋01中期経営計画」に基づき、あらゆる分野でのコスト削減とセメント部門以外の規模拡大と収益増大に努めることにより次期の業績は売上高3,400億円、経常利益245億円を、また退職給付債務の積立不足額の全額処理により当期純利益25億円を見込んでおります。
 なお、次期の連結業績につきましては、当期に実施するグループ関係会社整理・再編成の効果もあって、売上高7,250億円、経常利益260億円を、また退職給付債務の積立不足額の全額処理により、当期純損失70億円を見込んでおります。


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