セラクリーンは、水質及び底質の改善を目的として太平洋セメントが開発した「水質・底質浄化材」です。養殖池、ゴルフ場の池、天然の湖沼や干潟の改善材として使用されています。弱アルカリ性・多孔質形状が特長で、たとえば本資材を養殖池に施用すると、水質悪化の原因となる排泄物、残餌などによるヘドロを分解し、水質・底質を浄化します。また、水中にミネラルを供給することにより魚介類の餌となる珪藻の増殖を促進させます。
「多孔質ケイ酸カルシウム水和物」と呼ばれる製品で、即効性の粉(F)タイプと遅効性の顆粒(S)タイプの二種類があります。多孔質で非常に軽い素材ですが、水に入れると沈降し、ゆっくりと溶けて弱アルカリ性(pH7~10)を示します。数日~1ヶ月で8割以上が溶解し、自然に多く存在する「珪石」が少量溶け残ります。ミジンコやメダカ、エビなどで安全性を評価し、毒性がないことも確認しております。
セラクリーンは、天然珪石(けいせき)と石灰などを特殊な製法で作り上げた製品です。
ゼオライトはリンやアンモニアの吸着効果が高いですが、セラクリーンのようなpH調整効果や珪藻増殖効果はありません。
石灰やカキガラはアルカリ資材なのでpH調整効果がありますが、アルカリが強すぎるため入れる量をコントロールする必要があります。
ケイカルはアルカリ資材でケイ酸を放出するため珪藻増殖効果がありますが、説ける速度は非常に遅いため、セラクリーンと同様の効果を出すには大量に散布する必要があります。
水の流れの少ない池で養殖などを行うと、エサの食べ残しやフンなどが底に蓄積します。これらをバクテリアが分解しますが、分解しきれない分がヘドロ化して蓄積していきます。
このヘドロが、池の底の貧酸素化(酸欠)や水の酸性化、アオコ(アオミドロ)の発生などといった水質悪化現象を引き起こします。これらは見た目の悪化だけでなく、悪臭の発生やエサ食いの悪化、硫化水素やアンモニアなどのガス発生を引き起こすことがあります。
セラクリーンは、池の底や濾過槽などへのヘドロの蓄積を抑制する効果があります。
また、セラクリーンはゆっくりとアルカリを放出するため(pH調整効果)、酸性化した水を中和して水を安定化させます。
さらに、セラクリーンは溶ける際に「ケイ酸」とよばれるミネラルを放出し、ミジンコのエサとなる「珪藻」の増殖を促進させる効果があります。
標準的な使用量としては、1,000トン/1,000㎡(約1反)の池で、養殖用途では40~60kg(2~3袋)を 10日~2週間に一度の頻度で、景観を重視する場所(公園の池やゴルフ場の池など)では100~200kg(5~10袋)を月に一度の頻度で散布します。水質があまり良くなかったり、飼育密度が高かったりする場合には、散布頻度や散布量を増やすことをお勧めします。
散布方法としては、養殖池全体に均一に散布する、ヘドロの多く溜まったところに集中的に散布する、濾過槽に散布する、水の流入口付近に散布する、などがあります。
どの商品を使ったらいいですか?
野池では底の凹凸にヘドロが溜まりやすいので、顆粒タイプをお勧めしております。池干しした際に、土の上に撒いてトラクターなどですきこんで使用することも可能です。
コンクリートのたたき池などでは底が平らなので、顆粒(S)を使用すると溶け残りを核として食べ残しがまとまってしまうことが懸念されます。このため、粉(F)をお勧めしております。
セラクリーンから溶け出したケイ酸の効果で植物プランクトンの「珪藻」が発生しやすくなります。この珪藻は生態のエサになると共にアオコを抑制する効果がありますので、飼育や環境への問題はありません。
粉タイプは数時間程度で沈降しますので問題ございません。また、魚介類への悪影響も確認されておりません。
養殖魚の飼育に影響を与えることはありません。エビを使った試験では標準使用量の1,000倍を使用しても全滅することはありませんでしたが、使用方法にもありますように、標準使用量で散布することをお勧めしております。
それでも散布を継続したほうがいいですか?
セラクリーンはヘドロを抑制する効果がありますが、完全にやめてしまうと効果が消えてヘドロが蓄積し、水質悪化やアオコの原因となります。このため、水が悪化してきたと思われるタイミングで再度散布する方法もございます。
水処理材として公的な認証はありませんが、本資材は干潟の改善について環境省の「環境技術実証(ETV)事業」でETVマークを取得しており、底質環境改善効果が高く評価されています。
ご質問が当ページにない場合は
下記より電話かメールでお問い合わせください。