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代表取締役社長
不死原 正文

成長の歩みを止めず「圧倒的なリーディングカンパニー」を目指す

太平洋セメントグループは、経済の発展のみならず、環境への配慮、社会への貢献とも調和した事業活動を展開することを経営理念としています。この理念の下、国内セメント事業、資源事業、環境事業、海外事業、建材事業を中核として「環太平洋におけるリーディングカンパニー」を目指し、グローバルに事業を展開するとともに、大量の廃棄物や副産物の処理・再資源化が可能なセメント工場の特性と、長年培ってきたリサイクル技術を最大限に発揮し地球環境保全と循環型社会の実現にも貢献してまいりました。

 現在は、2020年代半ばにおけるありたい姿・目指す方向性として、「グループの総合力を発揮し、環太平洋において社会に安全・安心を提供する企業集団を目指す」を掲げ、17中計、20中計、23中計と3ステップでこの姿を実現するべく、様々な戦略を推進しています。これまでの2つの中計を通じて企業価値の向上、事業基盤の強化に取り組んできた結果、東京オリンピック・パラリンピックの開催延期にまで及んだ新型コロナウイルス感染症拡大といった未曾有の事業環境下にあっても営業利益600億円を継続できるまでの収益基盤を構築することができたと考えています。

 23中計は、飛躍を遂げるための最終ステップであるとともに、世界的にカーボンニュートラルに向けた動きが加速する中、当社ばかりでなく国内セメント業界にとっての生き残りや、持続的発展に向けて実効的な取り組みができるかといった企業姿勢や覚悟が問われる期間にもなると認識しています。このような事業環境のもと、太平洋セメントグループは持続可能な社会の構築に貢献し、次なる成長ステージに向かうための布石を着実に打っていきます。

2020年度の振り返り

コロナ禍にあって8期連続の600億円以上の営業利益を達成するとともに、成長投資、財務体質のさらなる強化、株主還元の20中計目標を達成

 2020年度は、世界中で新型コロナウイルス感染症が拡大し、国内でも緊急事態宣言が発令されるなどにより、建築需要の減少や工事の遅延といったセメント、コンクリート、建設資材の販売量に直接的な影響が生じ、国内セメント需要は54年ぶりの低水準となりました。また、経済活動全般における停滞も見られ、資源事業や環境事業と密接な関係にある鉄鋼業界や製紙業界に加え、電力業界など、広範に企業活動の停滞が見られました。海外では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、当社が事業展開する地域でもロックダウンが発令される状況もありましたが、米国では、住宅ローン金利の低下、テレワークの拡大などにより住宅需要が押し上げられたことから、セメント、生コンクリートの数量、価格ともに堅調に推移しました。こうした事業環境のもと、当期の売上高は8,639億3百万円、営業利益は636億1千万円となり、前期と比べ減収増益となりました。

 また、2020年度が最終年度であった20中計では、事業の継続的な発展のための成長投資と財務体質強化、そして株主様への還元とのバランスを取りながら、強固な事業基盤の構築に取り組んできました。

 成長投資では、インドネシアの国営セメント企業グループとの資本業務提携やフィリピンのセブ工場のリニューアル工事など、現地を往訪しての交渉機会が制限される中にあっても、適切なタイミングで成長投資を決定することができました。

 財務体質強化では、ガイドラインとして設定したネットDER0.5倍以下を2019年度末に1年前倒しで超過達成することができ、2020年度末では0.4倍以下になるまで改善しました。

 株主還元についても、この3年間で1株あたり60円の安定配当(2018年度は記念配当20円を含む1株あたり80円を配当)を継続するとともに、計150億円の自己株式の取得を実施し20中計期間における総還元性向は30%となり、目標を達成しました。

 しかしながら前述のような事業環境から、経営目標としていた売上高営業利益率およびROAは残念ながら計画を達成することができず、特に国内事業の収益基盤の強化については課題を残す結果となり、23中計において引き続き当社グループの基本方針として位置づけて取り組んでいきます。

中期経営計画の概要

長期的に安定した事業基盤を確立し、「圧倒的なリーディングカンパニー」を目指す

 当社グループを取り巻く事業環境は、CO2削減の気運の高まりによって、少なからぬ影響を受け、また、新型コロナウイルス感染症の収束時期如何によっては、セメント需要の下振れが一定期間続くという懸念もあります。建設業界および物流業界においては、建設現場作業員の高齢化に加え、外国人労働者が新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により再入国ができず労働力不足が深刻化し、工事がさらに遅延すれば、セメント需要の回復が遅れる可能性もあります。

 その一方、近年は気候変動が顕著で、毎年のように甚大な災害が発生していることを背景に、政府は国土強靭化として防災・減災対策を積極的に推進する方針を示しています。また、国内では都市部における再開発工事、リニア中央新幹線関連工事の本格化が見込まれるなど、現状のセメント需要水準が維持できるという見通しもあります。こうした事業環境を踏まえると、これから先10年程度は4,000万トン前後で内需は推移していくと見通しています。

 このような需要見通しの中にあって、当社グループでは社会インフラの整備、防災・減災対策に必要不可欠な製品や技術サービスを提供し続けることで安全・安心な社会基盤構築に貢献し、企業価値を最大化していくという考えに基づき、2021年度から2023年度までの3年間を対象とした「23(ニーサン)中期経営計画」を策定いたしました。23中計では、グループすべての事業が総合的・複合的に機能しあう、当社にしかできない新たな事業モデルを構築することで「圧倒的なリーディングカンパニー」を目指し、最終年度である2023年度の経営目標は、売上高営業利益率11%以上、ROE10%以上としています。そして、これらを実現するためのガイドラインとして、次の財務指標を設定しました。

売上高

営業利益

EBITDA

ネットDER

純有利子負債/EBITDA倍率 

7,500億円以上

850億円以上

1,450億円以上

0.4倍程度

1.5倍以下

 また、23中計の3年間で営業キャッシュ・フロー、資産売却等により3,300億円のキャッシュ・フローを創出し、これを原資とし持続的成長に向けた新たな投資、株主還元を実施する一方、ネットDER0.4倍程度を維持していく計画です。

継続的な成長投資により、カーボンニュートラルの実現を目指す

 成長投資においては、3年間で計画する設備投資・投融資2,800億円のうち1,200億円を配分する計画です。加えて持続的な成長を支える事業基盤の強化に向け、優先課題として、成長投資の継続、カーボンニュートラル実現に向けた取り組み、工場設備、鉱山の強靭化、国内事業の再構築に取り組んでいく計画です。中でも、原料に由来するCO2の排出を避けられないセメント産業において、CO2排出ネットゼロとなる技術の確立は、産業の将来につながる最重要課題のひとつであり、カーボンニュートラルの実現は、私たちの成長戦略の根幹であると認識しています。

 当社は、2020年3月に公表した「2050年を展望した温室効果ガス排出削減に係る長期ビジョン」では、2050年までにセメント製造工程におけるCO2排出原単位を80%削減することに加えて、セメントのバリューチェーン全体で20%に相当するCO2削減貢献をゴールとしていました。その後、日本政府が2050年カーボンニュートラルの方針を示したことを受け、当社の目標を「2050年にサプライチェーン全体としてカーボンニュートラル実現を目指す」という表現に改めました。

 カーボンニュートラル実現に向けては、既存技術の応用・発展に加え、革新的な技術を開発し、コストも含めて実用的なレベルにまで高めることが必須です。この革新技術の開発推進を担う社内横断組織として「カーボンニュートラル技術開発プロジェクトチーム」を新設し、これを中核として社会実装可能な技術を早期に確立することで、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指していく考えです。

コーポレートガバナンスの強化、ダイバーシティの推進、安全文化の構築により持続的な発展を目指す

 太平洋セメントグループの持続的発展を遂げていくためには、収益力向上に加えて、コーポレートガバナンスの強化、ダイバーシティの推進、そして安全文化の構築にも努めていかねばなりません。

 コーポレートガバナンスの強化は、企業価値を高め、すべてのステークホルダーに対する責任を果たすために不可欠であるとの認識のもと、信頼される企業として、さらなる経営の健全性確保に取り組みます。

 ダイバーシティの推進については、人権・多様性の尊重こそが持続可能な社会形成の原則であるという認識に基づき、人材の育成、女性の活躍推進、雇用の多様性そしてワーク・ライフ・バランスの実現に配慮した施策の導入などに取り組み、従業員一人ひとりが成長する働きやすい職場づくりに努めています。例えば、女性活躍では活躍推進目標として、エリア非限定職採用における女性採用比率を30%以上と定めました。また、女性従業員比率を10%以上とすることで適正な人材ポートフォリオの構築を図るとともに、新任管理職登用に占める女性比率10%以上を目指すなどの取り組みを推進しています。さらに、サプライチェーンなどを含めて人権尊重を根底に据えた事業活動を行ってまいります。

 安全文化の構築については、「働く仲間の安全と健康の確保」が企業存立の基盤をなすものと捉え、労働災害の撲滅と快適な職場環境の実現を目指し、組織的な安全保安衛生活動に継続的に取り組んでいます。活動内容としては、「太平洋セメント安全保安衛生方針」の目標を労働災害ゼロと定め、安全担当役員を委員長とする「全社安全保安衛生委員会」を設置し、当社各事業所およびグループ会社で安全ルールの遵守をはじめとした活動を強化推進しています。さらに、2002年に運用を開始し、2003年からは国内のセメント工場・鉱業所で展開しているOSHMS※を日々改善し向上させ、今後も「安全文化の構築」を目指していきます。

ステークホルダーの皆様へ

太平洋セメントが見据える未来

 私たちの事業の根幹はセメントにあり、セメント事業を機軸として成長を重ね、セメント、コンクリートのさらなる可能性を追及しています。その中で、環境配慮型製品の提供や資源循環型社会の構築に取り組み、ひいては様々な社会課題の解決に貢献してきました。私たちが持続的発展を成し遂げ、社会への貢献を継続していくうえで、セメントの原料である石灰石の安定的確保は当社の生命線ともいえます。国内ではすでにセメント生産量の100年分に相当する石灰石を確保し、今後も工場設備の強靭化とともに鉱山の強靭化にも取り組み、長期にわたって安定供給ができる体制を整えていきます。

 海外セメント事業においてはインドネシアの国営企業グループとの資本業務提携やフィリピン・セブ工場でのリニューアル工事などを通じて事業ポートフォリオの拡充やグローバル物流網の強化を行い、市場でのプレゼンス拡大に努めていきます。さらに、それぞれの事業拠点では日本で培ってきた環境事業や資源事業に関わる先進技術を展開し、それぞれの地域の発展に貢献するとともに、企業価値のさらなる向上を目指してまいります。

 私たちは、事業活動を通じた環境保全、資源循環、気候変動対策への貢献はもとより、SDGsにおいて世界共通のゴールとして掲げられている人権擁護、水資源や生物多様性の保全などへの貢献を含め、持続可能な社会の構築に寄与することで、国境を越えて社会課題の解決に力を尽くしていきます。ステークホルダーの皆様には私たちの活動をご理解頂き、今後の成長に、ぜひ、ご期待頂きたいと思います。

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