人材育成に取り組むとともに、全従業員の人権・多様性を尊重し、社内における機会均等の実現を目指します。
人材戦略
従業員の「やる気」を引き出し
能力を高め、企業価値向上の
原動力とします。
取締役 専務執行役員
大橋 徹也
当社では人材を「資本」として捉え、人への投資を進めて個人の価値を高めることが、中長期的な企業価値向上につながるものと考えています。
そのような考え方のもと、当社では付加価値を生み出すための人材の確保・育成をはじめ、経営戦略と人材戦略との連動を意識した取り組みを展開しています。
従業員が業務にやりがいをもち、心身の健康を維持し、効率的に働ける環境を整備していくことで、人的資本経営を実現していきます。
当社グループは、140年の長きにわたり、一貫してセメント製造に携わってきた会社です。その間、石灰石採掘からセメント製造および輸送など、すべての現場でサービスを含めた品質とコスト競争力の獲得に努めてきました。
元々、セメントの原料は、石灰石、粘土、珪石など自然界にあるものでしたが、近年では廃棄物・副産物を代替原料として用いています。工場での連続運転と計画的な修繕は当社のコスト競争力の源泉ですが、代替原料の多くはセメント製造工程で悪さをするので、使いこなすためには、それなりの工夫が必要です。
例えば、セメント工場で受け入れている下水汚泥ですが、これを最初にセメント原料として使いこなす過程で、現場の従業員の苦労は筆舌に尽くし難いものでした。同様に、最近の石炭価格の高騰を受け、工場では、低品質石炭を使いこなそうと努力を続けています。工場におけるこのようなチャレンジ、「マイクロイノベーション」の積み重ねが固有技術となります。ですから、工場の従業員の「やる気」は、企業価値に直結します。
当社グループのさらなる成長には、海外市場での事業拡大は不可欠です。そのためには海外で活躍できる人材を技術系、事務系を問わず、継続的に育成する必要があります。海外トレーニーや語学留学などのプログラムがありますが、なんといっても実務経験に勝るものはありません。
現在、フィリピンで最新鋭のセメント工場を建設していますが、このプロジェクトに参画することは極めて良い勉強となります。ゼロから工場を建設し、現地の従業員の方たちと共に立ち上げていくわけですから貴重な経験となります。「やる気」に満ちた若手を中心に多くの従業員が現地で活躍しています。
ただし、海外のプロジェクトが順調に進捗するわけがありません。予期せぬことが頻繁に起こりますので、現地はスケジュールとの戦いです。そのような修羅場を経験することで個人の能力は飛躍的に伸びるものです。全員がたくましく成長して帰ってくるはずです。
人的資本という言葉をよく使うようになりました。「資本」には、個人が成長すれば、その結果として会社全体の「資本」が増加するというニュアンスが含まれていると思います。成長とは昨日できなかったことが今日できるようになったことの蓄積です。成長の原動力は「やる気」です。人事部門とは「やる気」を持続的に起こす仕掛け・仕組みを作るところです。
今年度から、全従業員を対象としたエンゲージメント調査を実施し、組織に対する自発的な貢献意欲を測定することとしました。調査結果を踏まえて、各部門でエンゲージメント向上のためのアクションプランを策定・実施し、PDCAサイクルを回します。また、通常のジョブローテーションに加えて他部門での経験を積むことを目的として、社内副業制度をトライアル実施しています。例えば、週に20%の時間を使って、研究所の人がテレワークで海外営業の仕事をしたり、工場の総務課の人が本社人事部の仕事をしたり。マッチングが良ければそのまま異動することもあり得ます。
「やる気」に基づく個人の成長が、企業価値向上につながるものと考えています。
人材育成
階層別研修など、全社横断的施策とともに、自主性・自律性を醸成する個人学習の機会を提供することによって従業員の伸長意欲をかきたて、キャリアの柱を主体的に見出す風土づくりを推進しています。
当社では、個々の能力を最大限に発揮できるよう「人材育成方針」として次の6項目を掲げており、体系的かつ網羅的に人材育成に取り組んでいます。
人材育成方針
- 多様な人材の自主性、自律性を醸成し、「個」の成長を図ります。
- 人材育成はOJTとこれを補完するOFF-JTを基本とします。
- それぞれの分野および階層において次代を担う後継者を育成します。
- 常にグループ経営を視野に入れ行動する人材を育成します。
- 世界に通ずるグローバルな人材を育成します。
- サステナビリティ推進を通じ、環境への配慮、社会への貢献が出来る人材を育成します。
人材育成方針を具現化するため、全社横断的に教育を実施しています。人材育成の基本となるOJTについては、従事する業務分野ごとのスキルマップを明示し、職場でのOJTに活かしています。OJTを補完するOFF-JTについては、各種研修の実施や個別能力伸長の支援を行っています。
ダイバーシティ&インクルージョンの推進
ダイバーシティ&インクルージョンの推進をイノベーティブな労働力創出のための重要課題のひとつと捉え、プライオリティを上げて取り組んでいます。
多様な価値観を有する人材が活躍できる企業を目指し、積極的に取り組んでいます。
女性の活躍推進については基本方針を定め取り組んでいます。現在の定量目標は2015年5月に制定した「CSR目標2025」にて定めており、社内外に公表しています。女性従業員比率は2023年3月末現在で9.6%となっており、目標とする10%以上達成に向けた取り組みを継続しています。
基本方針
多様な人材の発想、価値観によるイノベーションを促進し、更なる企業価値の向上を目指す
- 適正な人材ポートフォリオの構築にむけて、女性の積極採用を推進する
- 女性従業員が自律的なキャリアを形成できるよう均等な成長機会を提供し、能力開発を支援する
- 女性従業員が持つ個性と能力を最大限発揮できる組織風土を醸成し、ワーク・ライフ・マネジメントを推進することで、女性従業員の定着を図る
2024年4月
太平洋セメント株式会社
代表取締役社長 田浦 良文
取り組み紹介
次世代リーダー育成研修(女性対象)の実施
日本では働く女性のキャリア形成に関して、ライフイベントの影響やロールモデルの不在などに起因して様々な「不安」が生じやすい環境にあるため、その対策として当社では次世代の女性リーダー育成を目的とした研修を実施しています。
2022年度参加人数:29名
従業員の採用に関しては、新卒のみならず経験者の採用にも積極的に取り組んでいます。多様なキャリアを積んだ人材の採用は、即戦力の確保であると同時に新しい価値観による組織活性化が期待できます。直近5年間においては経験者を毎年10名前後採用しており、中核人材の多様性にもつながっています。
また、雇用の多様性を図るため「リファラル(従業員紹介)採用」「アルムナイ(退職者)採用」を新たに導入しました。
当社は特例子会社3社を設立するなどし、障がい者雇用率の改善に取り組んでおり、2008年度以降16年連続で法定雇用率を上回っています。
今後とも障がい者の雇用拡大に向けて、学校や障がい者支援機構とも連携を図りながら、積極的に取り組んでいきます。
※法定雇用率:法定雇用率:2018年4月1日より2.2%、2021年3月1日より2.3%
ワーク・ライフ・マネジメント
従業員のウェルビーイングは当社の持続的成長の源泉です。
一人ひとりが働きがいをもって活躍できる職場づくりに取り組んでいます。
当社では柔軟な働き方の実現に向けた各種制度を導入し、従業員のワーク・ライフ・マネジメントを推進しています。
柔軟な働き方の実現
当社では、就業に関する各種制度を導入し、従業員の柔軟な働き方の実現に取り組んでいます。
就業に関する各種制度
- フレックスタイム制度(コアタイム:11時30分から13時30分(本社・支店ほか))
- 裁量労働制度
- テレワーク勤務制度
- 社内副業制度
- 社外副業制度
- 小学校6年生までの子の育児のための短時間勤務制度(10分単位で3時間/日まで短縮可)
- 家族の介護のための短時間勤務制度(10分単位で3時間/日まで短縮可、要介護者1名につき通算3年間)
- 3歳に満たない子の育児のための時間外労働の免除制度
- 小学校6年生までの子の育児のための時間外労働の制限、深夜労働の免除制度、時差勤務制度
- 家族の介護のための時間外労働の免除・制限、深夜労働の免除制度、時差勤務制度
- 年次有給休暇の半日単位での取得制度
- 特別積立休暇(取得目的:医療、看護・介護、人間ドック、不妊治療、自己啓発ほか)
- 子の看護休暇・介護休暇(年10日間)
- ボランティア休暇制度
- エリア限定職を含むコース別人事管理制度(コース変更制度有り)
- 出生時育児休業・育児休業制度(最長2年1カ月)
- 介護休業制度(要介護者1名につき通算2年間まで)
- ワーク・ライフ・マネジメント休業
- キャリア・カムバック制度(再雇用制度) ほか
従業員が仕事と育児・介護を両立できるように、育児では小学6年生の修了まで、介護では通算3年間(要介護者1名あたり)までの短時間勤務制度を導入しています。フレックスタイム制での短時間勤務(本社・支店ほか)も選択できるようにするなど、より活用しやすい制度とする取り組みを進めています。そのほか、育児・介護を目的とした休業制度に加え、配偶者の転勤先への同行などを理由とした長期休業制度(ワーク・ライフ・マネジメント休業)を設けるなどして仕事との両立支援に取り組んでいます。
社内・社外での副業への対応
従業員が社内・社外を問わず副業を行える制度を導入しています。自分の強みの発揮や関心に沿った業務にもチャレンジしていくことで、多様なキャリアの自律的形成の促進とエンゲージメントの向上につながる制度として期待しています。
各種制度を理解してもらうために
ワーク・ライフ・マネジメントに活用できる各種制度をもっと従業員に知ってほしい、といった思いから各種制度に関する従業員専用のウェブサイト「きらきらパレット」を公開しています。育児・介護をはじめ、健康、自己啓発、そのほかのライフサポートに関する情報など、従業員が時間や場所にかかわらず閲覧できる情報提供の場として内容の充実に努めていきます。
人権の尊重
人権尊重をサプライチェーン全体の最重要課題ととらえた事業活動を実践するため、グループ全体を対象とした人権啓発活動を推進しています。
当社は、人権・多様性を尊重した事業活動は持続可能な社会形成のために不可欠であるとの考えに基づき、世界人権宣言、ILO労働基準などを視野に入れ、2015年4月に人権・労働慣行基本方針を策定しました。
さらに、2022年5月には国連グローバル・コンパクトに署名し、人権擁護に対する取り組みを一層強化しています。
人権・労働慣行基本方針
- 人権尊重は経営基盤であるとの認識のもと、人権問題の解決に努めます。
- 多様性を尊重し、一切の差別・ハラスメントを認めません。
- 国際規範や各国の法令・労働慣行を踏まえ、労働者の権利を尊重し、雇用において差別的取り扱いを行わないとともに機会均等に努めます。
- 安全と健康に配慮した労働条件や職場環境の整備に努めます。
- 一切の児童労働および強制労働は認めません。
国連グローバル・コンパクト
国連グローバル・コンパクト(UNGC)は、国連と民間(企業・団体)が手を結び、健全なグローバル社会を築くための世界最大のサステナビリティ イニシアチブです。
当社は2022年5月に署名し、人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、そして腐敗の防止にかかわる10の原則に賛同し、その実現に向けて様々な取り組みを行っています。
グループ会社を対象としたCSRトップ層講演会は、「企業に求められるビジネスと人権の対応」に関連した内容で実施しました。また、グループ会社に対する研修支援、人権啓発の冊子配布、情報提供を行いました。
2022年度は、階層別研修では「最近の同和問題とハラスメント防止への取り組みと相談窓口の利用方法」をテーマとし、ハラスメント防止の重要性の理解と相談窓口を利用する際の手順に関する説明会をすべての事業所において実施しました。
研修 | 実績 |
CSRトップ層講演会 | 126名 |
本社階層別人権研修 | 291名 |
支店・工場・研究所の人権研修 | 1,412名 |
人権週間標語応募数(従業員・家族) | 1,670点 |
人権啓発推進委員やハラスメント相談窓口員を通じて、ハラスメント防止のための啓発活動や相談対応を行っているほか、(公財)21世紀職業財団を社外の相談窓口とし相談しやすい環境を整備しています。
2022年度のハラスメント相談窓口への相談は14件ありましたが、いずれも相談者の要望に沿って適正に対処しました。
社内 | 全事業所に人権啓発推進委員およびハラスメント相談窓口員計56名を配置 |
社外 | 21世紀職業財団ハラスメント相談窓口に電話とウェブ相談による対応を委託 |
セクハラ | パワハラ | その他 | 合計 | |
社内 | 0 | 6 | 3 | 9 |
社外 | 1 | 2 | 2 | 5 |
人権デューデリジェンス
サプライヤーとともに人権尊重の取り組みを深化し、サプライチェーン全体での持続的成長を目指していきます。
企業の人権尊重とは、自らが人権侵害に加担しないことのみならず、サプライヤーに対しても負の影響防止、軽減する責任を負うことと認識しています。当社グループの事業活動における潜在的な人権リスクを洗い出し、適切な手段によって未然に防止または軽減を図るため、2023年度に第1回人権デューデリジェンス(人権DD)を開始しました。
調査範囲は当社グループの基幹であるセメント製造を中心としたサプライチェーンから当社および代表的な数社を対象としました。課題調査は国連人権理事会が発行する「国連ビジネスと人権に関する指導原則」のほか、複数の国際規範・ガイドラインを参照し、当社グループにとって特に重要であると考えられる15のテーマを抽出しました。
今年度は調査結果に基づいた人権リスクの現状把握と、影響の深刻度が高いと評価された課題を中心に、是正措置と対応策について検討していきます。
エンゲージメント向上の取り組み
定期的なエンゲージメントサーベイの実施によって、従業員のモチベーションを高め、会社への貢献意欲を高める施策につなげていきます。
当社グループの経営理念、ありたい姿といった価値観に対する従業員の理解や共感、また、従業員の会社への貢献意欲を高めることが企業の持続的成長に資するという考えのもと、人権や多様性を尊重した働きやすく活気のある職場づくりを進めています。当社では、職場の環境や働きやすさの向上は進んでいるか、働き方に関する意識の変化はあるか、他社と比較してどのような状態にあるのかといった観点から従業員のエンゲージメント向上に関する課題等を可視化し、施策の検討・実施につなげるため、2023年6月からエンゲージメントサーベイを導入しました。
エンゲージメントサーベイは「組織に対する自発的な貢献意欲や、主体的に仕事に取り組んでいる心理状態」を可視化する調査です。当社では、会社と従業員の成長の方向性を一致させることを目的として、従業員の「仕事に対して感じるエンゲージメント」および「組織の理念や文化・環境に対して感じるエンゲージメント」をそれぞれ可視化するエンゲージメントサーベイを本年6月に実施しました。
当社のエンゲージメントスコア「66」は、ベンチマークスコアである「69」に対して、3ポイントの乖離がある状態でした。評価項目別スコアからは、「キャリア機会の提供」「挑戦する風土」などは改善が必要である一方で、「ストレス反応」「ワーク・ライフ・バランス」「給与への納得感」などは当社の強みとして表れています。なお、ここでのベンチマークスコアは、Wevox利用企業のうち、全ての業界かつ企業規模1,001名~5,000名の会社の総合平均スコアです。
今後も従業員のエンゲージメントサーベイを定期的に実施し、そのスコアを確認しながら、組織の課題分析、アクションプランの策定・実行、そして効果の評価検証といったPDCAサイクルを各部署で展開することで従業員のパフォーマンス向上や組織の活性化を図り、中長期的な企業価値の向上を目指していきます。
健康経営の推進について
当社では、2018年度から健康経営を推進しており、2022年9月より健康経営の更なる推進を目指し、健康宣言の内容を改訂しました。現在は、健康宣言のもと、代表取締役社長を健康経営の最高責任者とし、取締役会直属のサステナビリティ経営委員会の下部組織となる「人権・労働慣行委員会」を中心に、従業員を最も重要な「資本」と捉え、従業員とその家族の健康保持・増進に取組むとともに、働き甲斐のある職場づくりを目指しています。具体的には、毎年度、健康経営活動計画を定め、施策の実施、効果検証、次年度への施策への反映など、PDCAサイクル運用の中で健康経営を推進しています。今後とも、健康宣言のもと「人権・労働慣行委員会」を中心に太平洋セメント健康保険組合・太平洋セメント労働組合とも連携強化しながら、従業員とその家族の健康保持・増進を図り、働き甲斐のある職場づくりを推進し、組織の活性化・生産性の向上を目指していきます。
太平洋セメントグループ健康宣言
持続可能な地球の未来を拓く先導役を目指し、経済の発展のみならず、環境への配慮、社会への貢献とも調和した事業活動を行うという当社グループの経営理念を実現するためには、その担い手である従業員とその家族が心身共に「健康」であることが大前提となります。当社は、従業員を「人的資本」と捉え、従業員とその家族の「健康」の保持・増進に取り組むとともに、“働き甲斐”を持ってその能力を最大限に発揮することができるような職場づくりを目指すことをここに宣言します。
2024年4月
太平洋セメント株式会社
代表取締役社長 田浦 良文
基本方針
- 太平洋セメントグループは健康宣言のもと、「人権・労働慣行委員会」を中心に各事業所と連携をしながら、従業員とその家族の健康保持・増進の取り組みと“働き甲斐”のある職場づくりを推進します。
- 従業員は、自身とその家族の健康保持・増進に積極的に取り組むことで、心身のウェルビーイングを充実させ、QOLを高めます。
健康経営を効果的・効率的に進めるため、解決したい重要課題や評価指標(KPI)を明確にし、重要課題の解消に向けた取り組みまでの流れを“見える化”しています。
2023年度 健康経営活動計画
当社では従業員一人一人の心身の健康保持・増進に向けて毎年度健康経営活動計画を作成しております。2023年度の計画においては、ヘルスリテラシー教育に力を入れ、「ヘルスリテラシー、運動習慣、食生活習慣、女性特有の健康関連課題、睡眠、喫煙、メンタルヘルス(一般職用/管理職用)」のテーマで全従業員にeラーニングを実施していきます。
項目 | 内容 |
定期健康診断関係 |
|
特定保健指導関係 |
|
ヘルスリテラシー教育関係 |
|
生活習慣病予防対策 |
|
喫煙率低下施策 |
|
メンタルヘルス予防対策 |
|
健康経営に関する各種公開指標
分類 | 項目 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |||
実績 | 実績 | 目標 | 実績 | ||||
健康投資施策の取組 |
定期健康診断受診率 | 99.9% | 99.9% | 100.0% | 2024年度 公開予定 |
||
定期健康診断後の二次検査受診率 | 64.6% | 63.6% | 90.0% | ||||
ストレスチェック受検率 | 97.5% | 96.4% | 100.0% | ||||
ウォーキングイベント参加率 (※(2)取り組み紹介 ウォーキングイベントに詳細記載) |
4.44% | 6.79% | 70.0% | ||||
特定保健指導実施率 | 19.1% | 20.7% | 50.0% | ||||
平均年休取得率 | 73.2% | 77.5% | 70.0% | ||||
eラーニング受講率 (※(5)取り組み紹介 ヘルスリテラシーに関するeラーニングに詳細記載) |
ー | 83.4% | 100.0% | 87.9% | |||
うち | 女性特有の健康関連課題 | ー | ー | 100.0% | 87.9% | ||
メンタルヘルス | ー | 83.4% | 100.0% | 89.0% | |||
従業員の意識変容・ |
健康診断問診票 ※対象者:40歳以上 |
喫煙率 | 30.1% | 29.3% | 29.0% | 2024年度 公開予定 |
|
飲酒率(時々/毎日) | 73.1% | 74.4% | 70.0% | ||||
運動習慣者比率(30分以上の運動) | 26.9% | 27.9% | 30.0% | ||||
朝食摂取率 | 80.8% | 80.5% | 85.0% | ||||
健康診断結果 | BMI25以上の割合 | 33.0% | 31.9% | 30.0% | |||
有所見率 | 血圧収縮期(上)mmHg | 27% | 28% | 25%以下 | |||
血圧拡張期(下)mmHg | 20% | 23% | 19%以下 | ||||
LDLコレステロール | 50% | 49% | 47%以下 | ||||
HDLコレステロール | 4% | 5% | 3%以下 | ||||
中性脂肪(TG) | 19% | 20% | 18%以下 | ||||
AST(GOT) U/L | 15% | 14% | 14%以下 | ||||
ALT(GPT) U/L | 28% | 27% | 25%以下 | ||||
血糖値 | 42% | 42% | 38%以下 | ||||
健康関連の |
傷病による休業率(アブセンティーズム) | メンタルヘルス不調や 傷病等による欠勤日数の割合 |
6.04‰ | 9.35‰ | 5.00‰ | 2024年度 公開予定 |
|
心身の不調による業務パフォーマンス |
病気やけががないときに 発揮できる仕事の出来を 100%として、過去4週間の 仕事に対する自己評価 |
回答(平均) | ー | ー | 80.0% | 78.7% | |
測定人数 | ー | ー | ー | 2268/2583名 | |||
回答率 | ー | ー | ー | 87.8% | |||
ワークエンゲージメント ※職業性ストレス簡易調査にて測定 ※測定人数及び回答率は、 ストレスチェック受検率参照 |
Q.仕事をしていると活力がみなぎるように感じる | ー | ー | 3.0/4点 | 2.7/4点 | ||
Q.自分の仕事に誇りを感じる | ー | ー | 3.0/4点 | 2.2/4点 | |||
高ストレス者率 | 8.2% | 9.3% | 7.0% | 2024年度 公開予定 |
労働安全衛生に関する指標
総評
2022年度より生活習慣病予防施策に力を入れており、特にウォーキングイベントは各事業所での呼びかけが効果的に作用し、参加率が向上しました。これに伴って運動習慣者比率の上昇やBMI25以上の従業員の割合が減少しており、良い結果が得られています。更なる取り組みとして、2023年度は健康に関する知識や理解を深める機会を提供するために、ヘルスリテラシーに関する7つのテーマでeラーニングを実施して健康経営を推進しています。
一方で、二次検査受診率、特定保健指導実施率が昨年同様低い状況にあり、病気の予防対策や生活習慣の改善が必要な従業員に対するケアが不十分と考えられます。2023年度からは職制を通して二次検査の受診や特定保健指導への参加を呼びかけることで、従業員の健康に対する意識や行動変容を促す取り組みを実施していく予定です。
2023年度からはプレゼンティーイズム、およびワークエンゲージメントの測定を開始し、従来から継続して測定している、傷病による休業率(アブセンティーズム)、高ストレス者率とあわせて健康関連の最終的な目標指標と位置付けました。今後はこれらの数値と健康経営の各取り組みとの相関関係、因果関係を検証していきます。
(1)取り組み紹介
生活習慣病予防対策
当社の健康診断受診結果(主要部分)をみると、BMI・LDLコレステロールや中性脂肪の有所見率割合が高く、運動習慣・食習慣等の改善が必要となります。2023年度は運動習慣や食生活習慣の改善のため、ウォーキングイベントや腹八分目運動・健康優良者の紹介、e-ラーニングによるヘルスリテラシー教育などをさらに強化しており、従業員の健康保持・増進に取り組んでいます。
(2)取り組み紹介
ウォーキングイベント
2022年度投資額:340千円
生活習慣病予防対策の一環として、運動習慣の定着を促進するため、ウォーキングイベントを実施しております。(スマートフォンに歩数計アプリを入れ年3回実施)参加者は「個人の部」と、所属する事業所や部署で分かれた「グループ別対抗の部」でイベント期間中の歩数を競い合います。参加者皆が楽しめるよう、上位入賞者だけでなく、社長が順位を選ぶ「太平洋セメント社長賞」や合計10万歩以上歩いた参加者からランダムで選ばれる「Goal Achievement賞」など様々な賞を設け素敵な賞品を進呈しており、イベントの活性化を図っています。
(3)取り組み紹介
腹八分目デーの設置
毎月一度、腹八分目運動を実施すべく腹八分目デーを設置しております。腹八分目運動とは、満腹まで食べてしまうことで肥満や糖尿病などの生活習慣病リスクが高くなる危険性を憂慮し、食事の過剰摂取を防止するための運動です。具体的には、よく咀嚼して食べる、野菜や海藻など食物繊維を多く含む食品を食べる、一人分の盛り付けにするなどの工夫をすることを推進し、食生活習慣を改善すべく全社で実施しております。
(4)取り組み紹介
喫煙率低下対策
喫煙率低下対策の一環として、喫煙による健康障害のリスク低減と受動喫煙防止を促進するため、喫煙率低下施策を実施しております。具体的には、①禁煙外来の紹介、②禁煙外来治療費補助、③禁煙補助剤の無償提供、④禁煙促進イベントを実施しております。
(5)取り組み紹介
ヘルスリテラシーに関するeラーニング
2023年度投資額:3,500千円
2023年度の取り組みとして、健康や医療に関する正しい情報を見極め理解し、活用する能力であるヘルスリテラシーを養う機会提供のため、eラーニングによるヘルスリテラシー教育を実施しました。「ヘルスリテラシー、運動習慣、食生活習慣、女性特有の健康関連課題、睡眠、喫煙、メンタルヘルス(一般職用/管理職用)」の7つのテーマで実施し、すべての項目において高い受講率を達成しました。
(6)取り組み紹介
メンタルヘルス対策
メンタルヘルス施策の一環として、①こころの相談窓口の周知徹底、②ストレスチェックの周知徹底及び受検勧奨(高ストレス者への産業医面談案内、事業所ごとの職場分析等も含む)③メンタルヘルスに特化したヘルスリテラシー教育(eラーニング)の実施をしております。
社内 | 産業医 |
社外 | 太平洋セメント健保相談室(電話・Web) ※従業員の家族も対象 |
一般事業主行動計画
次世代育成支援対策推進法(以下、次世代法)及び女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(以下、女性活躍推進法)に基づく「一般事業主行動計画」を策定しました。
一般事業主行動計画(次世代法)
仕事と家庭の両立を目指す従業員の活躍支援に向けて、次のとおり行動計画を策定する。
計画期間:2023年4月1日~2026年3月31日までの3年間
目標 | 対策 | |
1 | 年次有給休暇取得の促進 | ・年次有給休暇の計画的付与の実施、年休奨励日の設定等により、年次有給休暇取得率の向上を図る。 |
2 | 男性の育児休業等取得の促進 |
・社内制度を体系的に紹介する就業継続支援ポータルサイトの運営 ・育児休業等取得対象者への取得の呼びかけを実施 |
一般事業主行動計画(女性活躍推進法)
女性が就業継続し、活躍できる雇用環境の整備を行うため、次のとおり行動計画を策定する。
計画期間:2023年4月1日~2026年3月31日までの3年間
(1)女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供
目標 | 取り組み | |
1 | Gコース採用における女性採用比率を 30%以上とする |
女性の積極的な採用と職域の拡大 ・求職者に対する積極的な広報活動の実施(継続) |
2 | 女性従業員比率を10%以上とする |
職場風土の改革 ・男女の固定的性別役割分担意識から脱却するための研修実施(継続) |
3 | 新任管理職登用に占める女性割合10%を目指す | 女性従業員の育成・成長機会の確保 ・キャリアデザイン及び次世代リーダー育成のための研修実施(2020年度~2025年度) |
(2)職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備
目標 | 取り組み | |
1 | 年次有給休暇取得率を70%以上とする | 年次有給休暇取得の促進 ・年次有給休暇の計画的付与の実施、年休奨励日の設定等により、年次有給休暇取得率の向上を図る。 |
2 | 男性の育児休業等取得率を80%以上とする | 男性の育児休業等取得の促進 ・社内制度を体系的に紹介する就業継続支援ポータルサイトの運営(継続) ・育児休業等取得対象者への取得の呼びかけを実施 |