ニュースリリース
平成14年1月23日 太平洋セメント株式会社 関東アッシュセンター竣工 太平洋セメント株式会社は、川崎市にあるセメント物流拠点を石炭灰の中間処理・積替保管・物流施設として転用することを進めてきましたが、このたび「関東アッシュセンター」として無事竣工の運びとなりました。本施設の竣工に伴い、全国の石炭火力発電所から排出される石炭灰の関東地区での本格利用が可能となります。 現在、国内で発生している石炭灰約800万トンの6割にあたる約500万トンが、粘土原料代替としてセメント工場で利用しています。石炭火力発電所の新増設等により発生量は10年後には1,100万トンに達する見込みです。一方、国内におけるセメント需要はここ数年の需要低迷により大幅に落ち込み、今後さらに減少すると見られている上、セメント産業には各種の産業廃棄物や一般廃棄物の処理要請も強いため、セメント工場における石炭灰受入は限界に達しつつあります。 しかしながら、関東地区は石炭火力発電所が少なく、また石炭灰の供給体制が整っていないことから、潜在的需要は大きいにもかかわらず、これまで有効利用は進んでいませんでした。そこで長年培った石炭灰の有効利用技術を活用した中間処理機能と、物流拠点としての収集運搬機能を合わせ持った複合物流ネットワ−クの核(アッシュセンター)を関東地区に構築し、セメント原料としての処理可能数量を超える石炭灰も有価の商品として供給することにより、石炭灰処理の安定化拡大を図ることとしました。 関東アッシュセンターは三井埠頭株式会社(川崎市)に運営を委託していた同社構内の弊社サービスステーションの大型セメントサイロを石炭灰用に転用し、併せて粉体混合プラントを設置したものです。 既に昨年4月、本施設の一部を稼動させ、東北地区からの石炭灰を受入開始、埼玉地区のセメント工場へセメント原料として供給を開始しました。また、この1月に粉体混合プラントも稼動し、中部地区からの石炭灰の受入も開始、石炭灰を主原料とした各種粉体製品の生産・供給を開始しました。各製品とも、石炭灰の大量使用をコンセプトとして弊社が開発した商品で、関東地区の土木・建設工事を中心に供給を開始します。
主要製品
<今後の事業展開> 弊社は同様の石炭灰混合プラントを既に三重県と愛知県に保有しており、愛知県碧南市のプラントは、中部電力株式会社と弊社の合弁会社(株式会社コムリス)が運営し、99年から中京地区に製品を供給開始しています。今後は関東アッシュセンターと同様の施設を敦賀(福井県)・苅田(福岡県)に設置し、石炭灰の有効利用及び処理量拡大の全国展開を図っていきます。 |