ニュースリリース
2005年6月9日 沖電気工業株式会社 沖電気と太平洋セメント、業界初となる 沖電気工業株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:篠塚勝正、以下沖電気)と太平洋セメント株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長:鮫島章男、以下太平洋セメント)は、このほど業界で初めてとなる、パッシブ型RFID*1を活用した構造物維持管理を目的としたワイヤレスモニタリングシステムの共同開発に成功しました。 1.本システムの特長: このたび両社が共同開発したワイヤレスモニタリングシステムは、土木や建築構造物の施工や維持管理におけるセンシングを目的とし、センシング機能付のRFIDタグを、構造物に取り付けるかコンクリートに埋め込んでおくことで、構造物劣化などの状態変化の検査を容易に行えるようにするものです。本システムには沖電気の開発したRFID用LSI「ML7216」と、「ML7216」のセンシング機能を引き出すリーダライタ*2およびソフトウェアが使用されています。 電池を搭載しないパッシブ型RFIDとセンサを組み合わせて、構造物の状態をセンシングすることを可能としています。
2.開発の背景: 市場要求は業種を問わず安心・安全がキーワードとなっており、現在のRFIDの特長である個別識別機能や非接触による個々のデータ管理だけではなく、センシング機能を付加して、その履歴などが追えるRFIDシステムの開発が望まれています。一方、土木や建築構造物においては、ライフサイクルコストの削減と環境負荷低減が求められており、コンクリートの劣化状態などを容易にモニタリングし維持管理に活かせるシステムが望まれていました。 このような状況において、センシング機能を付加したRFIDシステムの新規開発によって新たなサービスを提供できるとの双方の認識が一致したことから共同開発に至りました。 3.今後の予定: 今後太平洋セメントグループでは構造物の施工、維持管理への用途を探査するとともに、センシング機構や構造物に取り付けた際の通信テストなど実用面での検討を行います。利用用途として、積算温度測定によるコンクリート強度発現の推定、型枠へのコンクリートの充填検知、ひび割れの進展、鋼材腐食、疲労劣化など様々なアプリケーションを想定し、随時商品化を進めていきます。 具体的商品として計画しているプレストレストコンクリート*5用グラウト*6充填検知システムは、耐久性確保に重要なグラウトの充填を施工時に検知するだけでなく、その記録をRFIDに残すことができ、さらに鋼材の腐食時期を予測するセンサを備えることができ、2006年度に商品化する予定です。 太平洋セメントグループは、コンクリートソリューション®*7の提案のひとつとしてコンクリート構造物の調査・診断事業の拡大を図っており、本システムを活用していきます。 沖電気グループでは、土木・建設以外でモニタリングが求められる業界向けに電池を搭載せずリーダライタからの電力だけで各センシングが可能なパッシブ型RFIDと温度履歴管理向けとして、電池を搭載しCPUとインターフェース可能なRFID、また各RFIDの性能を最大限に引き出すリーダライタ&ソフトウェアの提供をしていきます。 4.その他: 本システムは、社団法人 日本コンクリート工学協会主催のコンクリート工学年次大会2005(名古屋/コンクリートテクノプラザ:6月22-24日)の展示ブースに出展します。
用語解説:
◆本リリースに関する報道機関からの お問い合わせ先 沖電気工業株式会社 広報部 原 TEL 03-3580-8950 E-mail: press@oki.com 太平洋セメント株式会社 IR広報部 TEL03-6226-9018 E-mail:webmaster@taiheiyo-cement.co.jp ◆本リリースに関するお客様からのお問い合わせ先 ●ワイヤレスモニタリングシステムに関する 問い合わせ 太平洋セメント株式会社 建材カンパニー事業推進部 TEL03-6226-9103 E-mail:kenzai-g@taiheiyo-cement.co.jp ●RFIDタグ及びリーダーライターに関する 問い合わせ先 株式会社沖電気コミュニケーションシステムズ http://www.o-cms.co.jp ●RFID用LSIに関する問い合わせ 沖電気工業株式会社 シリコンソリューションカンパニー 販売本部企画部 第二チーム TEL 03-5445-6027 E-mail:semi-salesjp@oki.com |