ホームニュースリリース1999年以前エコセメントを利用した木毛セメント板の開発

ニュースリリース


1999年5月19日

全国木毛セメント板工業組合
太平洋セメント株式会社

エコセメントを利用した木毛セメント板の開発

 全国木毛セメント板工業組合と太平洋セメント株式会社は共同で速硬型エコセメントを利用した木毛セメント板の開発に成功しました。
 この研究は全国中小事業団体中央会の補助金を得て、建設省建築研究所、東京理科大学、太平洋セメントグループの(株)建材テクノ研究所の協力のもと、平成10年4月から1年間をかけて実施しました。木毛セメント板は、防火、断熱、吸・遮音、調湿、消臭などの性能に優れた建築用ボードとして約80年の歴史を有する建材であり、室内環境に悪影響を与えない健康建材としても利用されております。さらに都市ごみ焼却灰などを主原料にしたエコセメントを利用することによって完全資源循環型建築材料としての普及を目指そうとするものです。

 速硬型エコセメントを用いた木毛セメント板は、次のような特徴があります。

(1)

早期解板が可能になった。

従来24時間以上かかっていた解板時間(型枠からの脱型)が1時間から4時間程度に短縮でき、生産性が向上する。また、保有型枠を削減できるので、より高価な型枠や様々な形状の型枠を用意することが可能になる。

(2)

防火性能向上

混合比、比重、解板時間、試作工場など条件が異なる製品の試験をおこなった。いずれの場合でも通常の木毛セメント板(難燃2級)と比較して優位な結果が得られ、ほとんどの試験体が不燃材料における難燃1級の条件を満足した。

(3)

あらゆる木材が利用可能

従来は使用する樹種による硬化不良が見られた。今回の研究の範囲内ではエコセメントは樹種による影響を受けにくく、建築古材や間伐材なども含め従来は忌避木質とされていた樹種が幅広く利用できる見通しである。

(4)

意匠性向上

硬化時間が短いという速硬型エコセメントの特徴を生かすと、様々な形状の製品が製造可能になり、木毛板に高度の意匠性を付加できる。また、表面形状が多様化することにより、吸音性の向上も期待できる。

 さらに廃材や不良品を再びエコセメント原料化できる可能性も考えられ、今後研究を継続することによって木毛セメント板の完全資源循環型建築材料としての地位を確立して行きたいと考えています。

なお、太平洋セメント(株)はエコセメントの品種名称を4月1日から変更しました。従来は低塩素型と表示していたタイプを普通型、標準型と表示していたタイプを速硬型としました。



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