Staff Interview従業員の声

F.R

カーボンニュートラルを目指して
CO2分離回収技術のさらなる検討や
回収CO2の利用方法を探索しています。

研究開発
(カーボンニュートラル)

F.R

カーボンニュートラル技術開発プロジェクトチーム
企画管理グループ 兼 技術グループ炭酸塩利用技術チーム
2020年入社

Q.1/7

どんな就職活動を
行いましたか?

就職活動は、建材系メーカーの研究職という狭い範囲に絞って行いました。高専から大学院までセメント・コンクリート系の研究室に所属していたので、卒業後は、自身の専門性を生かした仕事がしたいと考えたからです。混和剤や鉄筋等を取扱う素材メーカーも回りましたが、結局、深掘りしたのはセメントメーカーだけでした。
大学が地方のため、企業が都市部で個別開催している説明会にはあまり参加できませんでしたが、志望度が高い企業については積極的に足を運び、社員の生の声を聴くように努めました。

Q.2/7

当社への
入社動機は?

大学院ではコンクリートの骨材に地元の地場材料を使い、塩分に対する耐久性評価やセメントとの反応性を評価する研究を行っていました。コンクリートはセメント、骨材、水、薬剤等、複数の材料が物理的にも化学的にも複雑に関与する奥の深い材料で、研究のしがいがあると感じたことから、コンクリートの主要な材料の一つであるセメント関連の仕事を志望。国内で大きなシェアを持つ太平洋セメントの会社説明会に参加してみました。その会場で、セメント営業の従業員の方に「太平洋セメントの強みは何か?」と質問したところ、「圧倒的な技術営業力」と即答。自社の技術力への自信を感じさせる回答に、太平洋セメントは研究開発した技術を押し広める影響力がある会社だと感じました。
加えて、面接で私の研究テーマを熱心に聞いてくださったことや、面接官の方々の柔らかな雰囲気も好印象で、入社の意思を固めました。

Q.3/7

現在の仕事(職種)について
教えてください。

現在は、企画管理グループと技術グループ炭酸塩利用技術チーム、2つの仕事を兼務しています。
まず企画管理グループでは、カーボンニュートラル関係の新規テーマの探索を行なっています。具体的には、回収したCO2の利用方法を探ることが任務です。例えば、CO2は水素と反応させることでメタンなどの様々な有用物を作ることができるので、その技術開発が進めば、厄介者のCO2から新たなビジネスが生まれることが期待されます。また、技術開発にも携わっているNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業「炭素循環型セメント製造プロセス技術開発」プロジェクトでは、広報活動も担当。実際に技術の開発に携わった視点から、その成果を紹介する映像やパンフレットの作成などを行なっています。
炭酸塩利用技術チームでは、キルン排ガスからCO2を分離回収する技術を検討しています。様々な成分が混ざったキルン排ガスから純度の高いCO2を分離回収する技術についてはほぼ確立されているので、次のテーマである省エネルギー化、アミン液の性能評価などを検討しています。さらに、分離回収したCO2を廃コンクリートに固定化する技術の研究では、固定化量を増大する方法を検討しています。

Q.4/7

この仕事で大切に
していることは何ですか?

仕事(研究テーマ)の背景を十分に認識し、関連する情報にも目を向けることです。何が問題でこの研究テーマが挙がったのか、誰が困っているのか、最終製品として使うのはだれか、社会情勢との関連はどうか……など、視野を広く持つと、新たに試験水準を組むことにも役立つうえに、仕事の楽しさにもつながります。
その思いは、海外での事業展開の仕事に携わった際に感じたことがベースにあるかもしれません。日本ではコストのかかる材料も海外では安く入手できる可能性があります。またはその逆もあるため、改めてその国の材料事情を調査。コストも考えた最適な配合の提案に役立てました。仕事の背景を考えれば必要な調査だったと思っています。

Q.5/7

心に残っているエピソードを
教えてください。

入社1年目の時は上司への報告・連絡・相談が甘く、研究の方向性がずれたまま検討を進めてしまっていたことがあります。私はあるひとつの材料について検討を進め、順調に成果が上がっていると思い込み、上司への報告を怠っていました。ところが実は、幅広くいろいろな材料を検討することが私に与えられたテーマだったのです。上司から「あの検討、どうなってる?」と確認されたことで、私の方向性のズレが発覚。急遽追加の試験を進めることになったのですが、とても私一人でできるボリュームではありません。やむを得ず、当時のチーム員の方々に、試験水準の考え直しから追加試験まで手伝っていただくことになってしまいました。
この経験から反省し、報・連・相を積極的に行ったところ、仕事の進め方について認識の違いが減ったことはもちろん、多角的な視点から改善案をもらえるなど、研究成果を挙げることに関してもよい影響が生まれました。仕事はチームプレーであること、研究はいろいろな視点から考える必要があることを学んだ経験だったと思っています。

Q.6/7

働いてみて感じる当社の
社風・らしさとは何でしょう?

若手でも一人前として扱ってもらえること、でしょうか。若手が中心となって試験水準を考える機会が多く、若手従業員の「やってみたい」を否定することなく、チャレンジさせてもらえる社風があると感じています。
以前、上司に「コストを度外視して、一番いい材料を使って検討してみたい」と提案したことがあります。さすがにコストの上限は設定されましたが、通常ラインをはるかに超えた環境で検討を行うことができ、期待以上の成果を挙げることができました。我ながら「言ってみるもんだ」と思いましたし、自信にもつながりました。
若手の意見に耳を傾けてくれるのは、単に新しい発想を欲しているからではありません。会社には多様な考え方が必要だと考えるからで、年齢や経験を含め、いろいろなバックグラウンドを持つ人がいるのは、とてもよい環境だと思っています。

Q.7/7

これからチャレンジして
みたいことは?

企画管理グループでは、新規テーマ探索も業務のひとつです。まずは何かひとつ、CO2有効利用について新しいテーマをつくることに携わりたいと思っています。今の仕事は大学での研究テーマと同じではありません。しかし、自分がこれまで行なってきたセメント・コンクリートの研究経験を生かして、新しい研究テーマを立案できる機会があれば、ぜひチャレンジしてみたいと思っています。
セメントは、比較的安価であるにもかかわらず、とてつもない強度が出せる材料です。単体では完成された材料と考えられていますが、合わせる薬や工法次第では、また異なる機能を発揮する可能性を秘めており、今のところ代替材料は存在しません。代わりのきかない、絶対に無くなっては困る材料を扱っていることは、仕事のうえで重要なモチベーションになっています。