Staff Interview従業員の声

K.Y

廃棄物のさらなる活用とCO2削減。
それらを両立したセメントを設計・開発。
企業活動を通して、社会の資源循環に貢献しています。

研究開発(セメント)

K.Y

中央研究所 CO2リサイクル技術グループ 利用技術チーム
中央研究所 第1研究部 セメント技術チーム
理学研究科 宇宙地球科学専攻修了
2013年入社

Q.1/7

どんな就職活動を
行いましたか?

大学院の博士課程で鉱物の化学反応に関する研究を行なっていました。大学に残る道もありましたが、直接社会に役立つ仕事に就きたいと考えるようになりました。就職活動では、自分の専門を生かせる仕事を志望していたので、無機材料メーカーを中心に企業研究を進めました。

Q.2/7

当社への
入社動機は?

太平洋セメントを選んだ理由は主に二つあります。まずは、セメントが天然の鉱物にかなり近い性質を持っており、学んだ知識を生かせるということ。そして、原料等に大量の廃棄物を活用しているため、企業活動を通して社会の資源循環に貢献しているところに魅力を感じたからです。
メーカーである以上、良い物をたくさん作って売ることは使命になります。しかし、それだけではなく、太平洋セメントは大量の廃棄物や副産物を原料等として活躍しています。あまり知られていませんが、例えば1tのセメントを作るのに、400キロという廃棄物や副産物を利用し、社会の資源循環に貢献しています。他の企業にはない、そうした社会的機能を持ったメーカーであることに強い魅力を感じ、当社で働くことで持続可能な社会の発展に寄与する仕事に取り組めると考えました。

Q.3/7

現在の仕事(職種)について
教えてください。

廃棄物の活用とCO2削減の両立を目標としたセメントの設計・開発を行なっています。先ほど、1tあたり400キロの廃棄物・副産物を利用しているとお伝えしましたが、廃棄物の量をもっと増やしてほしいという社会的な要請があります。併せて、メーカーとしてCO2削減排出量の削減に取り組む必要もあるのです。これらの課題解決に向け、候補となるセメントの焼成試験を進めて各種の分析と品質評価を実施し、最適設計を見つけ出すことを日々行なっています。
製品のセメントは粉ですが、実際に使われる時は、あらかじめ生コン工場で水や骨材を練り混ぜ、工場現場に運ばれたあと型枠などに流し込む形で用います。早く固まるほうが短時間で強度が得られる一方、早すぎると作業性が低くなるなど、ある種トレードオフの関係にあります。そのため、硬化前の流動性や硬化速度、硬化後の強度が最適のバランスになるよう設計するのが私たちの仕事です。
大学で学んだ化学反応の研究が役立っていますが、入社してから身につけた知識もあります。研究では試験として岩石をそのまま扱っていましたが、セメントは粉ですので、粉体工学の知識も必要になります。粉体の特性や加工技術に関しては、入社してからかなり勉強しました。

Q.4/7

この仕事で大切に
していることは何ですか?

セメントの開発は、一朝一夕にして成り立つものではありません。原料を変えると、セメントの品質も変化します。廃棄物を増やそうとすると、いずれかの成分が増加します。その反応を打ちけるような操作を加えることで、品質の安定化を図っています。以上のように、あらゆる課題に対して解決策を見つけることが研究室の役割の一つなので、常に複数の視点から物事を考えるように心がけています。
また、広い視野が求められるため、社内・社外の様々な方との意見交換を大切にしています。セメントの開発は、まず数キログラムの規模で、一人で実験を行ないます。そこで品質目標を達成できると数十キロの規模になって、他部門からサポートを受けて、複数人で実験を進めます。たくさんの人が知恵を絞って考え、スケールアップしたコンクリート実験でも目標通りの結果を達成できたときは、大きな一体感を味わうことができます。

Q.5/7

心に残っているエピソードを
教えてください。

海外技術トレーニー制度を活用し、ベトナムにある当社グループ工場で2か月間働いたことが、いまも忘れられません。ベトナムは順調に経済成長を続けている一方で、まだ日本と比べるとインフラの整備が十分ではありません。また、経済発展に伴い多くの環境問題に直面しています。太平洋セメントはセメント生産におけるCO2排出削減に向けた革新的技術の開発に取り組んでいます。また、地球規模で持続可能なビジネスを推進しており、これからのベトナムの発展にとって重要な役割を果たすことができる企業だと考えています。
ベトナムでは新しい発見と出会いの連続でした。まずは、日本とはセメントに関する規格や要求性能が異なること。日本のセメントは品質が良く、かつ安定していますが、海外では使われる環境そのものが変わります。たとえば、ベトナムのような暑い国では硬化反応が早くなりますし、日本の寒冷地で求められる凍結時の耐久性も、逆に暑い国では必要ありません。
そして、ベトナム語訛りの英語でのコミュニケーションは、難しいと感じたところもありました。しかし、ベトナムの皆さんに受け入れられるかどうかは、絆をどれだけ強くできるかが大切だと感じました。粘り強くコミュニケーションを行うことで適応することができ、海外で仕事をする自信につながりました。ベトナムに滞在することで改めてインフラの重要性を感じましたし、当社事業の意義を実感できた出来事でした。

Q.6/7

働いてみて感じる当社の
社風・らしさとは何でしょう?

風通しの良い職場環境に心地よさを感じています。上司や先輩が若手の意見に耳を傾けて、アイデアを汲み取ってくれます。自分の考えを発信しやすく形にできるため、大きなやりがいを感じられますし、もっと新しいことに挑戦したくなる雰囲気があります。

Q.7/7

これからチャレンジして
みたいことは?

現在の仕事は、研究室としても中心的なテーマに属しています。研鑽を積みさらに深化させることで、持続可能な社会の発展に貢献したいと考えています。