Staff Interview従業員の声

H.T

フィリピンの現地エンジニアを束ね
工場のリニューアル工事を
推進しています。

設備技術(建築設計)

T.H

フィリピンリニューアル工事プロジェクトチーム
工学系研究科 建築学専攻修了
2017年入社

Q.1/8

どんな就職活動を
行いましたか?

学生時代は建築学を専攻していました。建築学には意匠・構造・設備・材料という分野がありますが、私は特に構造と材料の分野に興味を持ち、学部では構造設計に関わる研究、大学院ではコンクリート材料に関わる研究をしていました。
構造と材料のどちらも魅力のある分野だったため、就職活動では、構造設計に関われるような建設会社と、コンクリート材料に関われるような建築材料の会社を中心に検討しました。各社の説明会では、事業内容もさることながら、人や社風にも着目。入社した以上は長く働きたかったので、「人がいいか?」「働きやすそうか?」といった点を見極めていました。

Q.2/8

当社への
入社動機は?

もともとセメント業界は「材料」に関われるという観点で関心を抱いていたので、業務もコンクリートの研究職をイメージしていました。しかし太平洋セメントの会社説明会に参加した際、土木建築の設計業務があることを知り、「それはおもしろそうだ!」と非常に興味をそそられました。設計やコンクリート材料自体が好きだった私にとっては、「セメント会社での設計業務」はまるで一石二鳥のような仕事。設計するものも、マンションなどの建物に比べ、セメント工場は規模が大きく複雑で、設計業務の醍醐味を存分に味わえるように思えました。さらに仕事の選択肢という点でも、設計が性に合わないとなったら、コンクリートの研究職や技術営業など、多様な仕事に就けるチャンスもあるとのことで、それも魅力に感じられました。
また、社員の方と食事をご一緒する機会があったのですが、他社の人たちに比べて皆さんがとてもイキイキしているように見えました。加えて、面接をしていただいた方の人柄もたいへん魅力的で、ここなら人間関係もまちがいなさそうだと感じ、入社を決めました。

Q.3/8

現在の仕事(職種)について
教えてください。

入社して4年間、国内工場の修繕・増築・改修の設計を担当した後、現在のフィリピンリニューアル工事プロジェクトチームに異動しました。この工事は、東南アジアにおけるさらなる事業拡大を目指し、タイヘイヨウセメントフィリピンズのセメント工場を最新鋭のものに一新するというもの。上司から「やってみないか?」と打診を受け、「やります!」と即答しました。一から工場をつくるおもしろさに惹かれたのと、セメント工場がどういう仕組みになっているのかを細部にわたって把握できる、スキルアップの好機だと考えたためです。
具体的な担当業務としては、土木と建築両方が守備範囲となるため、既設工場の解体、敷地の造成、港湾施設の拡張、新設セメント製造設備に係る構築物の設計・工事監理など、極めて多岐にわたります。いわば、古い工場を壊して新しい工場を完成させるまでのすべてを担当しており、文字通り「何から何まで」やらせてもらっています。もちろん大変なことは多々ありますが、それ以上に、工場をつくるプロフェッショナルとしての充実感に満ちており、毎日がとても楽しいです。

Q.4/8

この仕事で大切に
していることは何ですか?

大きなプロジェクトの進行においては、コミュニケーション能力が特に大切だと思っています。今回は、現場の作業員はフィリピン人、設計会社は中国といった体制のため、英語、日本語、中国語を用いながら、フィリピンや中国の方とも上手に連携をとって仕事を進める必要があります。とはいえ、文化や感性の違いから意見が食い違うことが多々あるため、日頃から彼らとよくコミュニケーションをとり、お互いの意見・立場を尊重し合えるような関係を構築しておくことが肝要です。
また、フィリピン人スタッフと中国人スタッフの間でも意見が合わずにもめることがあるのですが、その際、間に入るのも私の役目。相手のメンタリティや思いを考慮した上で、目指すべき工場の建設に向けて一つになって動いていけるよう導いていきます。
こちらに赴任する前は一般社員の一人に過ぎなかった私ですが、ここでは約10人の現地スタッフを束ねるデパートメントマネージャー、つまりは管理職です。「管理職って、何をすればいいのだろう?」と悩みながらも、土木建築技術にとどまらないスキルが得られる今のポジションに、やりがいを感じています。

Q.5/8

心に残っているエピソードを
教えてください。

更地から一つの工場をつくる場合、その工事面積は非常に広大なものになります。工事開始当初、何もない砂漠のように開けた建設予定地に立たされた時には、ここに工場ができるとはとても想像できませんでした。工事開始にあたっては、図面に従って各構造物の位置確認を行い、「ここ」という場所に杭を立てるのですが、そのプレッシャーたるや、生半可なものではありませんでした。以前、杭打ちに失敗した先輩の恐ろしい話を耳にしたこともあったので、「本当にこの場所でよいか? 芯がずれていないか? 別の構造物と干渉しないか?」など、非常に不安になりながら何度も確認したのを覚えています。その後、建物が図面通りに少しずつできあがっていくのを目にして、「よかった、まちがっていなかった」と心からホッとしました。
また、セメントを貯蔵するための「サイロ」と呼ばれる設備の建設工事も印象に残っています。これは24時間休まず、2週間にわたってコンクリートを打ち続けるという、難易度の高い特殊な工事。始めたからには止めることも後戻りもできない中での、非常に緊迫した2週間でしたが、無事に完遂し、2週間前には何もなかった場所に高いサイロがそびえ立ったのを見た時は、よく監理できたなという大きな達成感がありました。

Q.6/8

働いてみて感じる当社の
社風・らしさとは何でしょう?

部署間の横のつながりが良く、風通しの良い職場だと思います。セメント工場の建設には機械・電気・製造などさまざまな部署が関わっており、土木建築の技術者だけで解決できる問題は限られています。実際、ここでも機械設備や電気設備の担当者とは毎日のように情報交換をしています。何か困ったことがあれば、違う部署であっても相談に行きやすいというのは、とても良い環境だと感じています。工場は協力しながら動かすものだという意識を、全員が共有できている証ではないでしょうか。
また、各部署の人がそれぞれ誇りをもって仕事をしているのも、太平洋セメントらしさと言えます。別の部署から見れば「そこはこだわらなくてもいいのでは?」と思えるようなことも決して手を抜かず、「こうした細かいことの積み重ねが、最終的に品質管理につながっていく」という信念のもと、ひたむきに取り組んでいる姿からは、自身の仕事に対する誇りが感じられます。

Q.7/8

これからチャレンジして
みたいことは?

セメント会社の土木建築業務は、今回のプロジェクトのように工場建設をトータルでマネジメントするような業務以外にも、セメント製造設備の設計や、鉱山開発、港湾開発など、多岐にわたる業務があります。私が経験していない領域もまだまだあるので、そうした業務にも携わって多様な経験を積みながら、セメント工場をつくる技術全般を身につけたいと考えています。

Q.8/8

キャリアステップについて教えてください。

入社当初から数年は、日本のセメント工場に係る土建設計・工事監理を行い、その後このような海外のプロジェクトに従事しました。さまざまな経験をする中で感じるのは、セメント会社の土木建築技術者というのは、単に土木建築だけの知識があればいいのではなく、セメント製造に関わる全般の知識が必要だということ。これからは土木建築技術をコア分野に、機械・電気・製造の知識・技術も広く学ぶことにより、高い総合力を備えた「セメント会社の技術者」を目指したいと思っています。