岩塊中の微生物によるセレン不溶化
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次世代シーケンサーによる微生物解析
次世代シーケンサー※により掘削ずり中の微生物を解析すると、溶存セレン濃度の減少が観察される実験系は、0日から14日にかけて大幅に微生物群集が変化し、特にClostridia綱に属する微生物が著しく増加します。
- ※次世代シーケンサー
- 遺伝子の塩基配列の解読装置。複数の試料に含まれる微生物の種類を1種類あたり数万から十数万、合計で数千万種の微生物を同時に並行的に同定できる。
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掘削で生じた岩塊(掘削ずり)に存在する微生物組成の変化
セレン濃度の減少が確認された掘削ずり中でClostridia綱に属する微生物が増加
セレン還元能を有する新たな微生物を発見
Clostridia綱に属する新規なDesulfosporosinus属細菌群(微生物A)、Symbiobacterium属に近縁な細菌等(微生物B)、Pelosinus fermentans(微生物C)の劇的な増加が観察されます。
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6価セレンと乳酸の添加によって増加した掘削ずり内微生物の一例
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結果、乳酸添加によって、掘削ずり中のセレン還元微生物と発酵代謝を担う微生物が増殖
異なる機構の複数のセレン還元が同時に作用し効率的に掘削ずりのセレン不溶化が進行