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投資家とのエンゲージメント


長期的な信頼関係と真摯な対話を礎に、
持続的成長と企業価値向上を目指します

株主・投資家への公正な情報開示を目指して

朝倉 当社は株主の約4割を外国人投資家が占めており、グローバルな視点でのエンゲージメントが不可欠です。昨年度からは、特に海外の大株主の皆さまとの面談に注力しています。コロナ禍ではオンラインも活用しましたが、直接お会いして思いを伝える重要性を再認識しました。現地でじっくり議論することで、経営方針や長期戦略への理解を深めていただいています。

振角 外国人投資家は株主還元や中長期的な企業価値向上への関心が高いと感じます。世界情勢の変化により、投資家の関心は今はESGから財務リターンやポートフォリオ戦略に移っている傾向がありますが、これは時代や環境によって変化するものです。当社としても、どのような潮流にも柔軟に対応できるよう情報発信の工夫が重要と考えます。

個人投資家へのアプローチ

朝倉 これまでBtoB中心の事業展開で、一般消費者には知名度が高いとはいえませんでしたが、今後は個人投資家を含む幅広いステークホルダーとの関係構築も重要です。現在、認知度向上やブランディングのための広報戦略を進めています。

振角 個人投資家向けには、工場見学や株主還元の新たなツールを用意するなど、親しみやすさを高める施策も検討の余地がありますし、140年の歴史や実績を生かし、より多くの方に当社グループの価値を知っていただくことも重要ではないでしょうか。例えば、セメント産業は廃棄物処理の役割も果たしていることや、東日本大震災といった大規模災害が発生した際には、災害廃棄物を受け入れていることは、個人投資家の皆さまにもぜひ知っていただきたいです。

カーボンニュートラル戦略に関する対話の方向性

朝倉 昨今は反ESGの動きも見られますが、当社グループはカーボンニュートラル戦略を成長戦略と位置づけており、方向性は変わりません。将来を見据えた取り組みを着実に進め、いつでも投資家の皆さまに戦略や進捗を説明できるようにしています。補助金も活用しながら、国や自治体と連携してプロジェクトを推進していきます。

振角 ESGを取り巻く足元の動向には変化が見られますが、「2050年のありたい姿」として掲げている「世界のセメント産業のリーダーとなる」を目指し、世界標準のカーボンニュートラル技術の開発に期待しています。こうした長期的な視点や社会的価値創出の重要性を丁寧に発信し続けることが重要ではないでしょうか。

株主・投資家との対話を通じた信頼の構築と企業価値向上

朝倉 当社株を長期保有いただいている株主の皆さまは、当社グループの成長へのポテンシャルを評価くださっており、業績だけでなく経営陣の考えやビジョンにも関心が高い傾向にあります。株主・投資家の皆さまの声をIR部門がフィルターにかけることなく取締役会に報告のうえ議論することで、誠実なコミュニケーションにつなげられるよう心がけています。厳しい指摘も真摯に受け止め、経営に生かすことが信頼構築の礎と考えています。

振角 IRに関する取締役会での議論は年々充実していると感じます。私自身も、昨年米国のグループ会社を視察し、海外事業や経営課題への理解を深めました。当社グループの事業は鉱山開発など非常に長期に及ぶ特徴があります。こうした特徴を理解し、長期視点で企業価値向上をともに目指していただける株主・投資家の皆さまとパートナーシップを築きたい、それが社外取締役としての私の思いです。

朝倉 このような中長期で当社グループを支えてくださる株主・投資家の皆さまと誠実な対話を重ねていくことが、持続的成長と企業価値向上の鍵だと考えています。国内事業の収益性向上の取り組みや海外事業の成長戦略を分かりやすく伝えるとともに、特に関心の高い米国事業の情報開示なども今後さらに工夫していきます。

振角 取締役会としても、経営陣の取り組みをしっかり監督しつつ、多様なステークホルダーに開かれた経営を支援していきます。実直なエンゲージメント活動はもちろんのこと、今後は社外取締役も株主・投資家の皆さまとの対話の場に参画し、多様な視点から持続的成長と企業価値向上を後押ししていきたいと考えています。

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