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水資源の適正利用


水資源の利用において、将来、顕在化する可能性のある課題として、水リスク分析、水使用の状況の把握に努め、水資源の適正利用を図っています。

水リスク分析

 当社グループのセメント工場における水リスクをWater Risk Filterを用いて分析した結果、全工場のセメント生産量による加重の総合流域評価点は2.4、最も総合流域評価点が高い工場では2.8となり、昨年よりも0.4ポイント減少しました。総合流域評価点の高い工場の生産量は、当社グループ全生産量の17.6%にあたりますが、この工場の状況分析では、喫緊の課題は見出されていません。

※世界自然保護基金(WWF)が開発した水リスクマップ。水資源不足、水質等の物理的リスク等による事業影響を評価する。評価点は最高5.0で、最もリスクが大きいとされる。


水使用の状況

 セメント工場で使用される水の多くは機器や排気ガス、自家発電の冷却用です。工場からの排水は、これら冷却水で水質汚濁防止法上の汚水ではありません。工場内で使用する淡水は生活雑排水をのぞいてすべて循環使用し、取水量の低減と排水による水域への影響低減に努めています。海水は臨海工場の自家発電設備の冷却に使用され、そのまま海に戻されます。
 2022年度の淡水使用量は約1,186万m3で、セメント1トンを製造するのに淡水0.387m3を使用しました。この淡水は製品などの原料ではなく、機器やガスの冷却に使用され蒸散したものが大部分です。


水使用の状況

(単位:千m3

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
表層水 6,521 5,626 5,355 5,527 5,346
地下水 16,884 18,656 18,759 18,706 17,673
用水 3,251 3,325 3,078 2,108 1,630
 淡水の総取水量(I) 26,656 27,607 27,192 26,341 24,649
 海水の総取水量 149,776 147,372 146,232 146,894 145,476
総取水量 176,432 174,979 173,424 173,235 170,125
 淡水の総排水量(O) 12,167 13,674 13,447 13,246 12,792
 海水の総排水量 149,781 147,377 146,368 147,062 145,639
総排水量 161,948 161,051 159,815 160,308 158,431
淡水使用量(I-O) 14,489 13,933 13,745 13,095 11,857

淡水取水原単位(GCCA)
淡水取水原単位(GCCA)

水資源の適正利用事例

 現況では地域社会との水資源をめぐる特段の懸念事項は予見されていませんが、水資源保全の観点から取水量の削減に努めています。今後も、地域とのコミュニケーションを密にするとともに地域の水資源の適正利用に努めています。
 タイヘイヨウセメントフィリピンズ社では、工場用水用に掘った井戸から地元へ上水供給を行っています。また、米国のカルポルトランド社はカリフォルニア州ロッキーキャニオン骨材採石場において、場内の雨水と湧水の集水・貯蔵方法を改善した水の持続的利用のためのシステムを構築しました。水源を確保できたことにより、井戸の増設や地下水の汲み上げ量を増やすことなく、操業に必要な水の供給と規制の厳しい場外排水を最小限に抑えることが可能となっています。


水の持続的利用システム(カルポルトランド社)

水の持続的利用システム(カルポルトランド社)


水資源保全活動

 鉱山の採掘では、動植物のみならず河川・湧水などの水資源の保全にも取り組んでいます。水資源保全の観点から、湧水・雨水は調整池を通し外部環境への影響を最小限にしてから排出されます。一部鉱山では生活用水用の井戸を掘削し、地元地域へ供給しています。

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