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品質管理


価値創造へ向けて

 当社グループは、確かな技術と品質保証体制を確立して高品質な製品・サービスを提供し、ユーザーに信頼され、期待される企業であり続けるよう、従業員一人ひとりが品質方針に基づいた活動を行います。

品質方針

従業員一人ひとりがグローバルな視点に立ち、地球環境保全に配慮した製品とユーザーニーズに応える品質を追求し、社会への貢献と顧客満足度の向上に努める。

方針を実現するために

  1. 品質方針に基づき、具体的な品質目標に展開し、社内に周知徹底を図る。
  2. 品質目標達成に向けて、総力を結集してポジティブに業務を遂行する。
  3. 顧客満足度および品質目標の達成度を確実にレビューする。
  4. 品質マネジメントシステムおよび製品の継続的な改善を推進する。

運用体制

 当社では長期にわたって培ってきたプロセス管理技術ならびに品質管理技術により、製品品質の安定ならびに向上に取り組んでいます。具体的には原料・クリンカ・セメントのオンライン自動分析システムの活用やX線回折によるクリンカ鉱物の測定、当社独自で開発したTQPS(太平洋セメント品質予測システム)などの先進的技術を活用した品質管理を行っています。また、廃棄物ならびに副産物の有効活用などによって地球環境保全に配慮したセメント製造に努めています。
 グループ会社を含めたISO9001の取得率は、国内のポルトランドセメント製造事業所で100%です。
 海外においても、ISOを主流とする国のセメント製造事業所では取得率100%となっています。品質マネジメントシステム(QMS)の構築と運用によって品質保証を確実に行うとともに業務の改善に取り組んでいます。

QMS概念図
QMS概念図

実現に向けてのロードマップ

 副社長を委員長とした「品質管理委員会」を設置し、活動を通じて以下の取り組んでいます。

  • QMS(ISO9001)の確実な運用によって品質保証体制を維持・継続します。
  • 品質トラブル低減と発生時の迅速な対応によって高品質な製品の提供とユーザーに信頼される行動を実施します。
  • グループ会社の品質保証体制向上と品質データ不正防止によってユーザーに信頼され、期待される企業グループになります。
実現に向けてのロードマップ
マテリアリティのKPI・目標と実績
KPI・目標 2021年度 2022年度 2023年度
重大品質クレームゼロ 0件 0件 0件
品質異常対応訓練

 セメント工場においては品質月間(毎年11月)活動の一環として、品質異常を想定した対応訓練を実施しています。品質異常が発生した場合でも迅速に影響を最小限に留める行動ができるようにしています。

品質異常対応訓練
品質データの不正防止

 昨今の企業データ不正などによる品質基準に妥協した納品最優先の考え方を払拭するため、新規客先との契約品質基準は営業・生産部署で社内協議によって決定するプロセスを定めています。また、品質試験データが試験成績表としてユーザーに提出される間にデータ改ざんなどの不正が起きないよう、データの突合せによって定期的に自主点検を行う体制を構築しています。
 他社事例を題材とした勉強会を通じて注意喚起と不正を起こさない・見過ごさない社風の醸成に取り組んでいます。

不正防止の自主点検
不正防止の自主点検

セメントの安全性

 昨今、あらゆる製品に対し安全・安心が求められており、社会インフラ整備に欠かせない建設資材であるセメントもその例外ではありません。セメント業界では、天然資源の代替として以前より高炉スラグ・石炭灰・副産石膏などの産業系廃棄物・副産物を活用のほか、当社はAKシステム(都市ごみのセメント資源化)、焼却残さ資源化システムなどの技術開発により生活系廃棄物、建設発生土、建設廃材などのセメント資源化も行っています。
 廃棄物をセメント工場で受け入れるにあたり、廃棄物の搬入・一時保管は密閉型のトラックや置場を使用するなど、飛散防止や悪臭防止を図り、周辺地域や工場内の環境保全に努めています。また、天然資源に含まれる重金属類の管理はこれまでも一定の基準を設けていますが、廃棄物の受入量増加にともない、微量成分の管理徹底を継続しています。新規廃棄物の受け入れにあたっては発生元情報、化学成分、試験使用結果に基づく3段階の検査を経て、製品の品質や周辺環境に影響を及ぼさないことを確認した後に受け入れ可否の最終判断をするなどルール化を徹底し、製品の安全性を確保しています。

放射能事故に対する製品の安全性の確保

 東京電力(株)福島第一原子力発電所事故の影響により、2011年にセメントの原料として使用していた一部の産業廃棄物について特定の放射性物質が検出されました。当社は使用するセメントの原燃料の放射能濃度を厳重に管理することで、国が定める安全基準を確実に下回るセメント製品を出荷する体制を整えており、その測定結果については毎月ウェブサイトに掲載するなど情報公開に努めています。

※ 2011年5月以降、国がセメントの放射能濃度にかかわる安全基準について、クリアランスレベルを100Bq/kg以下と定めています。



SDS・ラベル表示による情報提供

 セメント製品をより安全にご使用いただくため、当社は危険有害性情報を記載したSDS(安全データシート)をウェブサイトに公開し、袋・フレキシブルコンテナバッグ製品に対してGHSラベルを表示しています。


普通ポルトランドセメントの微量成分含有量の推移

(単位:mg/kg)

1987
年度
2019
年度
2020
年度
2021
年度
2022
年度
2023
年度
フッ素 平均 435 409 395 461 402
最大 578 512 449 557 470
最小 337 326 311 396 361
全クロム 平均 84 79 75 79 72
最大 95 85 88 92 87
最小 75 73 65 63 60
水溶性六価クロム 平均 17.4 7.9 8.0 7.1 6.4 6.9
最大 32.3 9.8 11.1 8.9 7.2 9.3
最小 5.3 6.6 5.5 5.9 5.6 5.6
亜鉛 平均 556 554 609 560 551 630
最大 1,059 677 734 742 702 759
最小 137 493 464 434 422 508
平均 221 63 66 61 54 64
最大 668 77 88 82 72 97
最小 18 43 39 43 37 45
平均 122 263 267 253 253 257
最大 233 359 442 404 365 420
最小 17 181 168 159 138 168
ヒ素 平均 17 13 15 14 15 16
最大 39 28 47 39 54 53
最小 2 7 6 6 ND 6
セレン 平均 0.8 0.8 0.7 0.7 0.7
最大 0.9 0.9 0.8 0.9 0.8
最小 0.6 0.5> 0.5> 0.5 0.5>
カドミウム 平均 1.5 2.0 1.7 1.5 2.0 2.0
最大 2.6 3.0 2.0 2.0 3.0 3.0
最小 0.6 1.0> 1.0> 1.0 1.0 1.0
水銀 平均 0.007 0.010 0.008 0.010 0.009
最大 0.011 0.020 0.012 0.020 0.015
最小 0.005> 0.005> 0.005> 0.005> 0.005>
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