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生物多様性の保全


■事業活動の環境影響

▶GRI304-1,2,MM1,MM2

事業活動の環境影響

 セメントの製造は、その主原料である石灰石を鉱山で採掘するところから始まります。また、骨材や工業原料としての資源品も多くは鉱山で採掘しています。
 鉱山では、表土を掘削し必要とする鉱体を採取するため、開発区域の環境や生態系への影響は避けられません。ただし、当社が採掘している石灰石や岩石、土砂類などは粉砕・粒度調整のみで製品化され、精錬などの工程を有しないため、化学的な汚染を周辺に及ぼす可能性はきわめて低いものです。また、石灰石鉱山では石灰石を採掘するために発生した捨石についても、建設用資材などとして有効利用し、捨石をできる限り少なくなるよう努めています。


当社グループの石灰石鉱山の状況

 当社グループの主要な石灰石鉱山はセメント一貫工場の近くに位置し、全世界で17カ所あります。そのサイト面積は、日本で2,608ha、米国で1,281ha、その他の地域に380ha、合計4,269haあります。

※サイト面積:鉱山の操業している範囲を当社の基準で測定した面積

●当社グループの石灰石鉱山の状況
地域 鉱山数 面積(ha) 要配慮※鉱山数
日本 11 2,608 1
米国 3 1,281 0
その他 3 380 0

※要配慮:IUCN自然保護地域カテゴリーⅣ以上に含まれる


 バードライフ・インターナショナルが提供するIBAT(Integrated Biodiversity Assessment Tool)を用いて、当社グループの石灰石鉱山とIUCN(国際自然保護連合)が定める自然保護地域との位置関係を分析した結果、カテゴリーⅢまでの地域に含まれる、あるいは、隣接する鉱山はありませんでした。日本において、カテゴリーⅣの地域に含まれる鉱山が1カ所、隣接する鉱山が2カ所ありました。
 いずれの鉱山も、行政当局の操業許可のもと環境に配慮した採掘を実施しており、また、生物多様性などの問題で係争となっている事項は起きていません。

●IUCN(国際自然保護連合)自然保護地域カテゴリー概要
IUCNカテゴリー 概要
Ⅰa:厳正保護地域 特出したもしくは代表的な生態系や、地理的なもしくは生理学的な特徴あるいは種を有する地域
Ⅰb:原生自然地域 自然が手つかずもしくはそれに近い状態で保たれている地域
Ⅱ:国立公園 生態系の完全環境を保護する地域
Ⅲ:天然記念物 明確な自然もしくは自然文化の特徴を含む地域
Ⅳ:種と生息地管理地域 生息動物の保持を確認するあるいは特定の種の要求を満たすために精力的な介在をする地域

■環境影響低減活動

▶GRI103-2,3,304-1,2,3, 4,MM1

 当社グループは、鉱山を開発・操業するにあたり、地域の生態系保全と地元の振興を両立することが重要であると考えています。この基本的な考え方に基づき、地方行政、地域社会、学識者との意見交換を踏まえつつ、公鉱害の防止はもとより、生物多様性ならびに水資源の保全など、環境影響を最小化できるよう鉱山の運営に努めています。


環境影響評価

 鉱山の開発にあたっては、開発地域の生物多様性や水資源を含む環境調査を基に、鉱山開発が環境に与える影響を専門家の協力を頂きながら事前評価しています。結果について地方行政、地域社会、学識者などステークホルダーとの意見交換を踏まえ、開発計画を定めます。開発中や操業中も周辺の環境を定期的に監視し、鉱山が周辺に与えている環境影響についてステークホルダーに報告しています。
 例えば、大船渡鉱山(岩手県)における鉱山の新規開発に際しては、約10年をかけて環境アセスメントを実施し、有識者や地域の方々と希少野生動植物の保全に注力するとともに、開発工事にあたっては発生する騒音や振動の最小化に努め、工事用車両の通行時間帯も制限するなどの配慮を行いました。また、鉱山操業開始後も定期的な評価と環境保全を実施しています。


猛禽類調査(大船渡鉱山)

猛禽類調査(大船渡鉱山)


生物多様性保全活動

 環境影響評価において保全の必要があると判断された希少種などは、保護設備の設置や移植、開発作業の制限などにより保全に努めています。
 埼玉県秩父市と横瀬町に位置する武甲山を採掘している秩父太平洋セメント社の三輪鉱山では、1972年から武甲山に自生する希少植物の保全育成に取り組んでいます。鉱山内の「植物園」では、68種類の希少植物を地元の専門家などの協力を得ながら保護・増殖するとともに、当社中央研究所でのバイオ技術による保存や増殖、また自生個体の遺伝的多様性の検証に関する研究開発を継続しています。また、2016年から大船渡鉱山の開発に際して、専門家の協力を得ながら各種希少植物の自生地保全とともに龍振鉱業社事務所横に「植物園」を設け、保護や増殖に精力的に取り組んでいます。


希少植物の自生地保全(大船渡鉱山)

希少植物の自生地保全(大船渡鉱山)


緑化活動

 掘削地区は岩盤・地盤が露出し、植物相がない状態となります。その地図の中で、掘削予定がしばらくない場合は、可能な限り早期に緑化する努力を続けています。掘削した表土などの堆積場についても、すぐに形状を変えることのない場所については植栽をしています。いくつかの鉱山では地域の要望により、採掘中の切羽であっても数カ月採掘しないエリアがあれば緑化をする例もあります。
 植栽する植物はその地区に元来自生している植物を基本としています。2020年度の当社グループの日本国内での鉱山緑化実績は、種子吹付:26,294m²、苗木植栽:3,944本でした。
 また、協力会社ほか、地域関係者とともに毎年地域の植樹活動に参加するなどして、鉱山開発と緑化活動に対する理解の向上を図っています。


残壁緑化(武甲鉱山)

残壁緑化(武甲鉱山)


水資源保全活動

 鉱山の採掘では、植物のみならず河川・湧き水などの水資源の保全からも、生物多様性への貢献を目指しています。水資源保全の観点から、鉱山から排出される湧き水・雨水は調整池を通し、外部環境への影響を最小限にしています。一部鉱山では生活用水用の井戸を掘削し、地元へ供給しています。


跡地利用

 完全に採掘が終了した跡地については、地域との協議などを踏まえて再利用しています。緑化する場合は、採掘前の植生に回復するよう努めています。

レポート関連ページ

レポートの関連トピックはこちら

太平洋セメントレポート2021
CSRレポート2021
P.74〜75
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